第776話 本妻の余裕
最近この『本妻』って言葉をよく使うな、と思う私です。主に自作品でね。まぁそれは良いんですけど。
やはり本妻っていうのはどっしりとね、こう、悠然と構えていてほしいと思うわけですよ。どうせ最後にはアタシのところに帰って来るんだから、みたいな。まぁ私のように器の小さい人間はですね、最後には帰って来るも何もちょっとした寄り道だって許さないわけですが。
こないだですね、一体どんな話からそうなったのかは覚えてないんですけど、旦那と「私(宇部)が不倫をするとしたら」って話になったんですよ。
ドラマや小説、漫画ではよくある話というか、ほら、PTAの集まりとかそんな感じで○○君(ちゃん)のパパと親しくなって――、であるとか、ご近所の○○さんと――、とか、あとはもう純粋に職場の○○さんと――、っていう。
もちろんそんな予定は未来永劫ないつもりではあるんですけど、まぁこれもネタになるよな、と、そんな邪なことを考えてですね、しばし、それについて真剣に議論してみたという次第であります。
ただここで立ちはだかるのがやはり私のコミュ障。というか、人見知り。特に私は男性と話すのが苦手で、未だに旦那の弟さんやお父さん(舅)とは一対一でうまく話せないのです。この二人とだってもう10年くらいの付き合いのはずなんですけどね、近くに住んでてしょっちゅう顔を合わせているはずなのにこの有様ですよ。
宇部「まず誰かのパパさんと仲良くなる、っていうのがそもそも無理だと思う」
旦那「いやいや、(不倫を)狙ってるパパさんっていうのは、そういう奥さんを言葉巧みに誘い出すもんなんだって」
宇部「誘われても普通二人きりでどこか行くとかないでしょ」
旦那「最初っから二人きりじゃないんだよ。まずはそこん家の奥さんも含めて三人で仲良くなって、そんで徐々に二人きりになるんだよ」
宇部「なんでそんな手口に詳しいんだ。さては――?!」
旦那「だいたい漫画とかだとそんな感じだもん」
宇部「だとしてもさ、だったら旦那さんの方と知り合うんじゃなくて、まずはママ友のお家に遊びに行ってー、そしたら旦那さんが帰ってきてー、どうもお邪魔してます――、じゃない?」
旦那「もちろんそのパターンもある」
宇部「あるんだ」
旦那「ある」
何でそこまでして不倫を勧めて来るのよ。ハッ、これが本妻の余裕ってやつ……?! などと、しばし茶番を挟んだわけですが、いや、そもそもの話として、ですよ。
宇部「でもさぁ、私、まずママ友がいないんだけど」
旦那「あっ、そうだった」
宇部「ママ友と呼べる人を作るところから始まるわけでしょ。無理」
旦那「無理かー」
宇部「これから先出来るかもしれないけど、私、色々(主にカクヨムと裁縫)忙しいから、そんな優雅にくっちゃべってる時間ないし」
旦那「確かに」
宇部「そんな時間あったら家で一人で遊びたいし(主にカクヨムと裁縫)」
旦那「ですよねー」
まぁ不倫はね、良くないことなんですけど。
ただね、全然知らない異性とそこまで距離を詰められるって、すげぇなって思いますね。私、ソーシャルディスタンスって言葉が流行る前からソーシャルディスタンス以上に人と距離をとりたい人間なもので、そのコミュ力の高さにただただ恐れおののきますわ。
ってそんな話をしていたら、明日は
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