第712話 髪型って難しい

 あっという間に1月も終わりですね。何だかんだと書くことには困らなくて良かったです。私の歯の被せものをひっぺがしてまでネタを作ってくれたネタ神様に感謝をしつつ(てめえコノヤロウ)、今日はまた旦那とのやり取りをお届けしようと思います。


 最近はウチの旦那の調子が良くて(使えるネタが多いという意味)、これはエッセイに書ける内容だなって思う会話があったりすると忘れないうちに書かねばならないわけです。ほんと家族に支えられてんな、私(のエッセイ)。


 私の髪がバリカタハリガネなのはこのエッセイの読者さんならばもうご存知かとは思うんですけど、実は旦那もなかなかの剛の者でして。この人が剥げる未来とかあんのかな、って思うくらいにもさもさバリバリ生えております。

 なので、切る時はバッサリと切り、そんで数ヶ月放置し、またバッサリ切る、の繰り返しです。


 でもただ短くするだけってのもつまらないので、やはりちょっと洒落た頭にしたいというか。だってねぇ、短さを追求するなら丸坊主でもスキンヘッドでも良いわけですから。多少のトレンドは押さえておきたい。


 そこで、旦那とあまりかけ離れていないタイプの芸能人のヘアスタイルを参考にするわけです。ここ最近は鈴木亮平さんでしたね。


 ただ、この芸能人のヘアスタイルって難しいじゃないですか。何せ彼ら、演技する人だったりすると役によってころころ変わったりするものですから。例えば固定ヘアスタイルの俳優さんなんて柳沢慎吾ちゃんか京本政樹様くらいなんじゃないかって思うわけです(私のイメージ)。いや、あと美川憲一さんとアッコさんがいるか。いや二人は歌手だ。


 それでさらに最近はですね、旦那も私と同じで元々白髪が多めなもので、色の方も悩むところなんですね。真っ黒とか茶色とかにしちゃうのか、それとも思いきってグレイヘアーを活かす方向でいくか、と。

 で、いまさら真っ黒は不自然だし、かといって茶髪もなんかチャラくなりそうだし、なんて話をしててですよ、だったらほら、あの人良いんじゃない!? って方がおりまして。


 吉川晃司さんですよ。

 モニカでお馴染みの吉川晃司さんですよ。

 あの人、髪もさっぱり短いし、グレイヘアで良い感じじゃないですか。


 これは良いぞ、と。

 そろそろそういうイケおじな雰囲気出してっても良いんじゃない? みたいな感じで盛り上がりまして。

 よっしゃそんじゃ今後は吉川晃司ヘアでいこうぜ! これでオーダーしようぜ! って。


 そんな感じでワイワイして、予約日(旦那は指名しないので普通にアプリで予約出来る)までうだうだ過ごしてたわけですね。


 さて、そのXデーを目前に控えたある夜のこと。


旦那「俺もいよいよ『矢沢永吉』かぁ」


 そんなことを言い出すわけですね。


 えっ? 矢沢!? いきなり何言い出したのこの人!?

 

宇部「えっ、何? YAZAWAがどうしたの? タオルを何かするんだっけ?(いまいち矢沢さんを知らない)」

旦那「えっ? ほら、髪。矢沢にしようねって話を――」

宇部「吉川晃司だよ! 矢沢永吉じゃないよ!」

旦那「そうだった! あっぶねぇ! YAZAWAじゃなかった! (矢沢さんの画像を検索して)俺の髪では絶対に出来ないやつ!」

宇部「この感じは絶対無理!」


 いやこのやり取りがなかったらですよ、おそらく旦那は美容室でYAZAWAをオーダーしたと思うんですよ。ほんと危なかったです。どう頑張ったって彼の髪質では無理なんですから。


 で。

 結局ですね、吉川晃司さんでもなく、普通の良い感じのヘアスタイルになって帰ってきました。ここ数日のやり取りはなんだったんだ。

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