第708話 マナーの話

 昨日の『千切りキャベツを上品に食べる』話で思い出したやつなんですけど。


 いまって、何かマナーにすごくうるさいじゃないですか。

 ないですか、って書いたけど、私がそう感じてるだけではありますが。


 私はですね、まぁ一応社会人の経験もあって、お客様の家にお邪魔することもありましたし、お偉いさんとお食事に行ったり(2人でとかじゃないけど)なんてこともしてきたんですけど、まぁ多少おかしなことをしても「まだ若いから」で許されてきたような気がします。


 それで、いまの年になってテレビでですね、それこそ格付けチェック的なやつなんですけど、これはマナー違反か否か、みたいなやつを見て、「あー、これはアウトなんだな」とか「あー、それは知ってるー」みたいな感じで知るというか。


 恥ずかしながら、手土産は玄関で渡してましたし、何なら紙袋ごと渡してましたしね。靴を脱いでお邪魔する時だって、がっつりお尻を向けて靴そろえてましたから。言われてみればそうだよな、って。


 理由を聞けばああ成る程って思うことでも、それ本当にそこまでしなくちゃダメなの? って思うことも結構あってですね、最たるものがアレですよ、判子の押し方。


 お辞儀をしているように斜めに押せとか、そういうやつです。曲がってる方がなんか「こいつ、判子すらまっすぐ押せねぇのか」って思われそうですけどね。私がその相手だったら思いますよ。良いかい、判子っていうのはね、大抵真上に溝とか印があるからね、そこを意識するとまっすぐ押せるんだよ、って教えると思います。誰だよ最初にお辞儀とか考えだしたの。大喜利大会じゃねぇんだぞ。


 あとは個人的に何か嫌だなぁって思ったのはビールを注ぐ時のやつですね。あのラベルを見せながら注げ、みたいなやつ。

 

 銘柄がわかるように、って意図なのかもしれませんけど(調べたら注ぎ口から垂れたお酒がラベルを汚さないようにという理由もあるらしいです)、いや、銘柄くらい自分で確認しとけよ、っていう。コナン君なら絶対見逃さないぜ?(なぜコナン君) ていうか銘柄で味わうの? これじゃなきゃ飲まない、みたいなのあるの? だとしたらそれで注文してるはずだし、なおさら見せる必要もないでしょ。それとも何、そこの社員なの? これが我が社のビールでござい、って? アピールの場なの? CMなの?!


 もうね、全くわからないわけです。

 幸いなことにそういうお酌をするような場にいたことがないので、面倒くせぇなぁと思いつつもラベルを見せながらお酌をしたことも、どうでも良いじゃん、っつって適当にお酌をしたこともないんですが。


 いまは何かリモート会議の方でもマナーがどうこうあるみたいですね。カメラをOFFにする時はお辞儀をしながら――みたいなのがあるって聞いたんですよ。

 本当に存在するマナーなのかは知りませんけど、あるんだとしたら、これって絶対つい最近生まれたマナーじゃないですか。誰なんでしょうね、こういうのを「これがマナーです」って最初に言い始める人って。上司の皆が皆、部下の頭頂部を見ながら会議を〆たいと思ってると思うな。その頭頂部に何かしらの問題があったら逆に気を遣うっつーの。

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