第685話 怪鳥
これまた去年の話になるんですが、息子の授業参観に行った時のことです。前にもちょろっと書きましたけど、フリー参観というやつでして、決められた時間内であれば何時に来ても良いし、何時に帰っても良い、っていう。
早めの時間に着いてしまったので、教室内をうろうろさせていただいて、壁に貼られている息子の絵(皆貼られてる)ですとか、粘土の作品とかを見ていたんですね。息子がぴったりと横について、うきうきとそれらの説明をしてくれるわけですよ。
そしたらですね、何が何だかわからないけど、とにかく何かすごい粘土作品があったんですね。担任の先生も来てくれて、あっ、見つけました、それ? って。
「それ、息子君が作った『グアナゴ』なんですよ!」
何で先生の方がそんなにうきうきしてるのか謎だったんですが、何かすごく楽しそうなんですね。
ただ、こちらとしてはですよ。
グアナゴって何?! って。
見た目はですね、『THE怪鳥』といった佇まいでして、くちばしがオウムみたいなこう、下の方にくるんと丸まってる感じでですね、目はカメレオンみたいな感じというか……トンボみたいな複眼というか……とになく何かブツブツしてて気持ち悪くてですね。そんで、卵を温めてるみたいにでぷっと座ってるんですよ。
そんなフォルムの謎の物体を指差して「グアナゴです」って言われてもアナタ。
まぁ息子のことだから、ウルトラマンの怪獣とかにそんなのがいるのかな? って軽く考えて、先生もですね、「いやーまさかこんな作品に仕上がるとは思わなくてー」って(たぶん)褒めてくださるもんですから、愛想笑いで返したわけです。
そんで、家に帰ってから調べてみたんですけど、検索に引っ掛からないんですよ。いや、厳密には出てきたんですけど、『グアナコ』っていうラマの仲間が出てきちゃって。どう見ても鳥類じゃねぇ。
息子に聞いても「何とか(聞き取れなかった)モンスターのグアナゴだよ!」としか答えてくれませんし、一体何なんだよ、グアナゴ。
と思って色々調べてみたら、『グアナゴ』って言葉から連想される生き物を作る、みたいな図工の授業があるみたいですね。図工の教科書を見ればわかる話だったっぽいんですけど、図工の教科書、学校に置きっぱなしで(そんなんで良いのか)。
先生との会話を思い返してみると、そういや、
「他の子達は恐竜みたいなのを作ってたんですけど、鳥っぽいものを作ったのは息子君だけでしたね」
とか言ってたんですよ。
成る程、そういうことだったのね。
いや、私もきっと恐竜っぽいものを作りますよ。やたらと口が大きくて顎が立派なタイプの恐竜を作りますよ。『口がグアーっと開く顎の強い恐竜=グアナゴ』っていうベタな連想ゲームみたいな感じで作りますよ。
何でお前怪鳥をセレクトしたの?
ていうか、それほんとに鳥? くちばしがあるから鳥っぽいっちゃー鳥っぽいけど、その目、何かブツブツしてて怖いんだけど!
お前さてはあれだろ。
その時期モスラとか見てたからだろ。ちょっと虫要素入れるんじゃねぇよ!!
2021年始まって息子ネタばかりですなぁ。頑張れ娘!
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