第684話 大晦日の地獄

 年越しは毎年旦那の実家でしています。

 ここ数年は旦那の弟さん家族も一緒なのでまぁワイワイとした年越しなのですが、7歳一人(息子)と、5歳二人(娘と従兄弟)がもうテンション上がっちゃって上がっちゃって大変です。普段は大人しくお絵描きに興じている息子すら大はしゃぎする始末。


 そんで何が大変って、嫁ズ(私と旦那弟の奥さん)は小売店のパートなので、年末ギリギリまでお仕事なのです。私は運良く30日が仕事納めでしたが、弟嫁さんは31日もお仕事!


 というわけで、その子ども達の相手をしなくてはならないわけですね。はっきりいってしんどい。


 というのも、従兄弟君はアクティブ系男子。我が家は兄がクリエイティブ系男子で基本的にお絵描きセットがあれば動かざること山のごとしなんですけど、従兄弟君は黙っていられないタイプなのです。

 我が家では絶対にタブーとされている布団の上で飛んだり跳ねたり(息子と私が埃アレルギー持ち)もやりたい放題で、それにつられて我が家のアクティブ系女子娘ちゃんも大盛り上がりの地獄絵図。そうなるとさすがの息子君もうずうずしてくるようでして、天岩戸をガラリと開けて「ぼくもー!」ですわ。


 そんなアクティブ三人衆(体力∞)に、このスーパーインドアアラフォーおばさんが太刀打ち出来るわけもなく。


「ねぇ、もうちょっと大人しい遊びしようや」


 息も絶え絶えに提案しますと、そんじゃあクイズしようぜ、みたいな流れに。よしよし、頭脳戦なら任せとけ。そっちの方なら多少は鳴らした口だぜ?(クイズ番組で)


 さて、始まりましたジェスチャークイズです。頭使うやつではないのでは? とも思ったのですが、始まってしまったのは仕方ありません。


 嫌な予感しかしない第一問。

 従兄弟君はただひたすらその場でジャンプ。舞う、埃。えー、何? 縄跳び? でもそんな直立不動な感じで飛ぶかなぁ? 答えは?


「トランポリン」


 ああー! そっちかー!!

 いや、飛ぶのやめよう?


 そんな訴えもガン無視の第二問!


 その場でだだだだと走る動き、からのジャンプ、そしてさらに前転!! もう地獄! そんでもう全然わからねえよ!!


 もう全然わからないので、適当に「新しいオリンピックの種目?」と答えますと、満面の笑みで「正解!」と。いや、絶対嘘でしょ。


 もうジェスチャーも勘弁して、と言いますと、今度はなぞなぞ大会に移行しました。よし、やっと頭を使う感じの大人しい遊びが出来るぞ。


 子どもにもわかるようななぞなぞ(パンはパンでも食べられないパンは? みたいな)を旦那が調べてくれて、それをぽつぽつ出題して盛り上がっておりますと、息子が言うわけですね。


「次はぼくが出すー!」


 おお、さすがは7歳のお兄さん! よっしゃやってみろ! 


 一体どんなクイズが飛び出しますやら。まぁどうせどこかで聞いたやつなんだろうな、と思っておりますと――、


「サングラスはサングラスでも割れるサングラスはなーんだ?」


 それは普通のサングラス!


 0.2秒で突っ込みましたわ。


 ただ正解は「ガラスのやつ」ということでしたけどね。


 あのな、息子よ。

 サングラスって基本的にどんな素材使ってようが割れるんだ。サングラスに限らずメガネ系って案外脆いんだ。消耗品なんだ。ハズ〇ルーペだって割れる時は割れるんだ。この世のすべてのメガネは割れるように出来てるんだ。知らんけど。


 でも面白かったから良し。

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