第653話 要精密検査

 怖くないです? この響き。


 職場で受けた健康診断、引っ掛かったんですよ。

 封筒が職場に届きましてね、結果を取り出しますと、AとかBとかの判定がどどんと印刷されてるわけなんですが、Aは異常なし、Bが軽度異常、Cが要経過観察・生活改善で、Dが要精密検査、そしてEが治療中、っていう。


 私の場合、貧血の方でお医者さんの厄介になっているものですから、毎回CとかEだったんですよ。そんで、今回もEだったので、よっしゃ、今回も精密検査なしだー! って油断してたらですね、備考欄に書かれてましたね。【要精密検査】って。


 えっ、何何、何で引っ掛かったのよ!

 私血液の項目以外オールAじゃん!?


 って思ってたんですが――、


 視力!


 今回めっちゃくちゃ悪かったんですよ。

 前回眼鏡かけて両方とも1.0だったんですけど、今回はまさかの右0.4、左0.8!


 左はまぁ良いとしても、どうした、右!!


 いや、私ね、幼少期に患った病のせいでですね、実は左目が左に動かないんですね。上下右には動くんですけど。そんなわけで、昔は左の方が視力が悪くて、右でばっかり見るようになったら今度は右が悪くなって、そんで今度は右を庇って左で見るようになり、左が悪くなり――、というのを繰り返した結果、どんどん両目が悪くなったという感じなのです。


 とりあえずもっかい検査して来いっていうお達しなので、行ってきましたとも。


 そんで改めて測り直したら結局両目ともやっぱり1.0あったので、たぶんあの時の環境とかそういうことだったんじゃないのかな、と。あの日、午後からだったし、直前までスマホとかPCポチポチしてたし。


 それでもまぁ、お医者さんに何かよくわからない機械で色々見てもらってですよ、カメラで何かパシャパシャ写真(もちろん眼球の)撮られたりしてですよ、はいそれじゃ、右見てー、次上見てー、なんて感じで撮影してですね。そしたらほら、はい次左ねーって言われてもですね、いや私の左目動かねぇやつなんで、って。


「えっ?! そうなの?!」


 お医者さん、全然気づかねぇの。

 目のプロなのに、私の左目のこと全然気付かねぇの。そりゃそうですよ、申告してないもの。私もですね、動かなくなってもう36年くらい経ってるもんですから、こう、バレない角度っていうんですかね、そういうのたぶんうまいんですよ。左側を向く時はどうする、みたいなね。小学生の頃はそういうのがうまく出来なくて寄り目になっちゃってる写真とか残ってたりするんですけど。いまはもうプロを欺くくらいのことは朝飯前なんですよ。いやん、ちょっと恰好良い。


 というわけで、毎回眼科の先生とかメガネ屋さんとかを驚かせてるんですけど、今回もばっちりでしたね。何の話だ。


 それから、どうやらこの左目のせいでおそらくものを両目バラバラに見ているっぽいだか何だかなので、トラックの運転はしないでくださいって言われましたね。するわけねぇじゃん。こちとら普通車すら運転出来ねぇんじゃい。


 とりあえず、何でもない、ということがわかったので、少々お天気はぐずついておりましたが、ついでにちょっとお散歩がてら、ジェイソンさんのピンバッジのガチャガチャを探す旅(歩いて行ける範囲で)に出たんですが、今回も空振りでした。めぼしいところはすべて回りきってしまいましたので、やはりこの町にはないようです。

 やはり県庁所在地(秋田市)にまで行かんとダメか……。いや、でもコ□ナ真っ只中でそんなもののために秋田市行くとかアホすぎる。例え県庁所在地の割に人口とか栄えっぷりがしょぼくても。ここより人が多いには変わりないし。


 よし、メ○カリかヤ○オクだな!

 誰か出品してくれ! 常識の範囲内で金は出す!

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