第652話 年齢によって答えが違うやつ

 先日ですね、職場の上司が聞いてきたんですよ。


「宇部さん、『サビオ』って知ってる?」と。


 ――ほう?

 それ、私に聞く? むしろ私に聞く? 

 あなた、『サビオ』ったら、北海道における『絆創膏』のことよ? 私も北海道に住んでいたころはもう当たり前にサビオサビオ言ってましたわ。でも、不思議なもので、ほら、郷に入っては郷に従えってやつなんでしょうか、こっちでは普通に『絆創膏』って言ってますから。でもこれが実家に帰ると『サビオ』になるんですよね。ふっしぎ~。


 というわけで、言ってやりましたよね。


「いや、知ってるも何も、『サビオ』って北海道の方言ですよ(ふふん」と。


 そしたらですね、その人が言うには、


「いやそれが、ウチの地元でもそういう人がいるみたいで」と。


 その人、茨城の方なんですけど、どうやら、茨城の中でも一部の地域(北の方とか南の方とかそういう感じ)且つ、何歳以上かの方は絆創膏のことを『サビオ』っていうらしいのです。

 そもそもこの『サビオ』というのは商品名なんですよ。なので、茨城のその一部地域でも何十年か前に売られていたのでは、という。


 っていう話で思い出したのがですね、ムーミンなんですよ。わかります? あのカバみたいな可愛いやつです。カバじゃないんですよ。カバじゃないということはわかるものの、それじゃあ何なのかと言われるともう全くわからないのですが。


 それに出て来る、ムーミンの妹なのか姉なのか彼女なのかわからないけど、とにかくムーミンっぽい女の子ですよ。いまちょっと調べたら、ムーミンのガールフレンドみたいですね。そんで、ムーミンとは別の種族らしいです。えっ、お前達どう見ても同じ種族じゃん? えっ? 前髪? 前髪生えてるから?! 


 ムーミンはもうアレですね、キャラが可愛いなぁ、ってくらいしかわからないので、生態とか世界観とか一切わからないんですけど、個人的にはスナフキンとミィが好きです。


 ってのは置いときまして。


 そのムーミンの彼女ですよ。

 私、彼女の名前は『フローレン』だと思ってたんです。どうやら原作の方では名前って特にないらしいんですけど、こっちのアニメだと名前があるんですよ。で、確か『フローレン』だったよな、って。


 って話を、社会人一年目の時に先輩としてたんですね。一体何がきっかけだったのかは覚えてないんですけど、とにかくその話になったんです。そしたら、


「えっ? 『ノンノン』でしょ?」って。


 ノンノン?!

 ノンノンって何?!


 で、その辺にいた同期やら先輩やらに確認してみたんですけど、ある一定の年齢で分かれることがわかったんですね、『ノンノン派』と『フローレン派』に。どうやら、1969年~のムーミンアニメは『ノンノン』で、1990年~のムーミンアニメから『フローレン』になったらしいのです。何で変わったのかはよくわかりませんけど。


 なので、年齢不詳の人にこの質問をして、


「ムーミンの彼女? ノンノンでしょ?」


 という答えが返ってきたら、だいたい50~60代くらいかな、ということがわかる、っていう。そんなざっくりとした年齢がわかったところでどうすんの、って話ではありますが。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る