第642話 トマトじゃなかったばっかりに
相も変わらず、39歳熟女からの『もしよろしければ』メールがガンガン届いております。
何を『もしよろしければ』なのかについては、まぁここは健全なエッセイですからね、なるべくなるべく濁した感じといいますか、ぼかした感じといいますか、もうとにかく精一杯ふんわりさせて書きますけども。
とにかくあれです。
私と大人の社交ダンスしませんか? シャルウィダンス? ってなわけですね。夜のパートナーを探していらっしゃるようでして。まぁそもそも社交ダンス自体大人のものみたいなイメージがあるんですけど、まぁその辺はどういうのでも良いんです。ぶつかり稽古でも、組手でも。とりあえず『大人の~』ってつけとけば何となく伝わるかなって。とにかくまぁそういうやつです。39歳の熟女はパートナー募集中なのだそうです。
何かもう受信する度にちらっと件名が見えちゃうもので、あーまた来たな、39歳熟女、ってもうため息ですよ。39歳の熟女がほぼほぼ同い年のアラフォー熟女にラブメール送ってるんですよ。こんなのクラスメイトに送ってるようなものですよ。いや、あなたちょっと冷静に考えてみなさいって。このメール、クラスメイトに送れる? 胸張って送れる? ちょっと胸に手を当てて考えてみて? 無理でしょ?
ていうかですね、以前も書きましたけど、いや、39歳って熟女なの? と。
わかってます。わかってますって。そりゃあね、傷み始めている感は否めませんよ? ちょっとした傷も何だか治りにくくなってきましたし、たっぷり睡眠とったはずなのに何だか疲れが取れないまま一日がスタートすることもあります。
いや、違う。
熟、っていうのはそんな悪い意味ではないと思うんですよ。熟さないと食べられないというか、熟してる方が美味しいですしね? だけれども、この『熟』にですよ、『女』をつけるだけで、何だかもう『あとは腐り落ちるだけ、というか、腐り始めてない?』くらいの熟しっぷりな印象になるんですよ。私だけかもしれませんけども。
だってね、その39歳熟女さんはですよ、めちゃくちゃ
なのに、39歳熟女さんはですよ、「私、トマトじゃないし」とでも言わんばかりに下手に出るんですよ。トマトだったらもう真っ赤っかの完熟ボディをばばーんと前面に出して、
「さぁ! お食べなさい!」
ってブイブイ言わせるところなのに、トマトじゃなかったばっかりに、39歳熟女さん……。
っていう話をですね、旦那としてですね。
そこでふと疑問に思ったわけです。
「女は『熟女』っていうけど、男は『熟男』とかないの?」
男女で性差はあるにせよ、どちらも人間なんですよ。
女が熟す生き物だとすれば、そりゃあ男だって熟すはずなんですよ。そう思いませんか、お客さん!
けれど、聞いたことないわけです、熟男。
それって私が女だから知らないだけなのかな、実は男社会では『熟男』なる言葉があったりするのかな、なんて思ったりするわけです。まぁ『熟男』じゃなくても『熟漢』とかでも良いんですけど。
で、旦那に聞いてみたわけなんですが。
「男は熟さない」
すぱっと言われちゃいましたね。
熟さないんだ?!
「男は枯れるだけだから」
男は枯れるだけ!?
「ほら、『枯れ専』って言葉もあるじゃん」
確かに!
それはある!
ちょっと枯れたおじさんが好きな人、ってやつでしょ? 知ってる知ってる!
というわけでですね、私はまた一つ賢くなったわけですね。
女は熟すが、男は枯れる。
まぁ、そんなことを学んだところで何だ、って話なんですけど。
……うっわ、予約投稿しようとして気付きましたが、今日、
かといって、特にイイ夫婦なネタもございませんので、今日はもういっそこんな感じでね(良いのかよ)。
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