第626話 アゲアゲ息子

 またもネタがカッツカツになりまして、もう昨日の話を書いちゃいますけども。

 おっかしいなぁ、ストックいくつか作ってたはずなのに、いつの間になくなったんだろう……?


 というわけで、息子の参観日なのでした。

 ウチの小学校だけなのか、それともウチの市がそうなのか、秋田県の話なのか、いっそいまは全国的にそうなのかわかりませんが、『フリー参観日』と言いまして、特に時間は指定しないので、好きな時間に見てってくれ! っていうやつです。


 そんで、本当はマラソン大会だったんですよ。予定では。

 ですが、どうやら今年は何かと屋外イベントに雨がつきもののようで、前回の運動会の時もやるの? やらないの? どうすんの?! みたいな天気のために一日延期&1時間遅れで開催、みたいなことになったわけですが、今回も今回で、当日こそ晴れたものの、コースのコンディションが最悪、という判断により延期になったわけですね。


 なので、マラソン大会は平日の体育の授業でやることになったらしく、本日は完全に屋内の参観日でした。


 さて、こうなりますと、何時から乗り込んでやろうか、というのが問題です。マラソン大会だったら2年生が走る時間に行って、走り終えたら帰る予定だったのですが、そんな『見せ場は数分』とかいうレベルではないわけです。もう何時間でも出ずっぱり。至近距離で見放題。私の予定がこれだけだったらおにぎり持参でずーっといてやろうかとも思ったのですが、困ったことに私の予定はこれ以外にもあるわけでして。


 とりあえず、1時間目から3時間目くらいまでいようかな? という軽い気持ちで学校へゴー!



 すると、どうやら『お仕事モード』の速度で歩いてしまっていたらしく、予定よりも早めに到着してしまいまして、まーだ全然朝の会。


 それでも迎え入れてくださいましたので、いやいやどうもどうも、なんつって教室に入ったわけですけども、どうやらちょうど「今日はフリー参観日です。みんなのお家の人は何時にくるかはわかりません」みたいな話をしているところだったらしく、


「あーっ、息子君のお母さん、もう来たー!!」


 って。

 いやー、ほんとすんません。私もまさかこんなに早く着くとは思わなくて。


 そしたら、息子がですね。もうあからさまに背筋ピーンッ! ってなりまして、さらに声のボリュームが倍になりましたね。ちょ、おま、そんなあからさまに気合入る?! まだ朝の会だぞ? そんなんで持つ?


 先生方もいきなり気合が入りまくった息子の姿に苦笑しておりました。そんで、授業が始まったわけですけども、もうテンションがおかしいおかしい。


先生「それじゃあ、今日の授業は○○をやります」

息子「いええええええええええい!(拍手」


 えっ、大丈夫なのこの感じ。お前どうしちゃったの? 普段のちょっと淡泊なお前はどこに行っちゃったの? それともそれは家だけなの? 学校では実はそんな感じなの?


 その後もやたらと張り切る息子の姿に母としてはキュンキュンしていたわけですが、先生がそっと耳打ちしてくれたところによると、やはり普段はこんな感じではないらしいです。


「息子君、普段はもっと黙々としています」


 とのこと。


「むしろお家ではこんな感じなんですか?」

「いえ、家でも基本的に黙々と作業をこなすタイプです」

「ですよね――……」

「ええ……」


 その後もアイドルが出てるクイズ番組のようなテンションの授業は進み、休み時間にはいまハマっている絵本の読み聞かせまでしてくれるというサービスぶりでした。


 何か参観日っていうか、接待された気分でしたね。


 あと、他のクラスの粘土作品を端から順に眺めていた息子の隣に女子がぴったりとくっついていたのが印象的でした。ちょっと待て、いつもの子と違うぞお前。ママ、その子知らないんだけど?! 

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