第602話 最近の息子

 息子がイケイケです。


 何がイケイケって、夏休みの宿題の絵(厳密には、絵のアイディアが宿題で、それをもとに学校で絵を描くという授業があったらしい)が選ばれたんですね。市の何かのお祭り(縁日系のじゃなくて)でどっかの会館に飾られるとのこと。


 学年だよりに名前がありまして、連絡帳にもその旨書かれてまして、二年生は70人くらいいるんですけど、優秀賞は息子を含めて三人。


 いや、三人もおるんかい! って話ではありますけど。ちなみに最優秀賞はありません。


 私もどちらかというと昔は絵が得意な方で、校内に貼られたり(クラスから何人か選ばれる感じ)とかはあったんですけど、さすがに市の施設に貼られることなんてありませんでした。自分でいうのもなんですけど、子どもらしいダイナミックさがなかったんですよ。うまいけど、ただその通り描いてる系といいますか。選ばれる子の絵って、なんかすごく勢いみたいなのがあるんですよ。手なんか、それ長すぎじゃない? って思ったりするんですけど、描きたかったことが伝わってくる絵と言いますか。まぁ私、そういうプロじゃないので、詳しいことはわかりませんが。


 そんで、夏休みの宿題として出されたそのアイディアの方は知ってるんですけど、いざ学校に提出してそれをもとに描きましょう、となったら、ちょっと違う感じになったらしく。タイトルも変わってましたね。


 いや、その辺はほら、我々もよくあることじゃないですか。我々も、って道連れにしましたけど、いや、物書きさんなら、って話ですよ。プロットはあったはずなのに、書いてるうちにキャラが暴走して想定外の事態になってしまったり、っていうね。でも(自分的には)そっちの方が面白かったりするので結果オーライではあるんですが。


 というのを息子の口からではなく、連絡帳とお便りで知り、宇部家は大騒ぎです。


旦那「ンッフ?! ちょ! 大変だ!! ちょっとママ見てこれ!(子ども達の前ではママ呼び)」

宇部「何何、ウチの息子何かやらかした?!(お友達とトラブル等)」

旦那「やらかしてない! 選ばれてる!」

宇部「は? 選ばれた? 何に?! ンゴァア! 選ばれてる!!」

旦那「ちょ、ちょっと、息子! 息子!! 何これ、パパ聞いてないぞ?!(良いことも悪いこともまずは自分から報告する決まり)」

息子「んふふふふふふふ」

宇部「んふふ、じゃねぇ!」


 息子はですね、まぁ、もう皆さんもご存じの通り、年間360日お絵かきしてるボーイなんですが、実はこの手のやつに選ばれたことがないのです。というのも、彼は、


「ぼくは自分の描きたいものを描く!」


 というタイプでして、いまは何とかテーマに沿った絵を描けるようになったものの、ちょっと前までは断固として描きたくないものは描かねぇ派だったのです。なので、なんて言うんですかね、著作権的にアウトみたいなやつが混ざってたり、書きたくないからって紙の端っこにそれっぽいの描いておーしまい、みたいなことが結構あったのです。半分くらい真っ白の絵もあったりして、おうおう、紙を無駄に使ってんなぁ、と良く思ったものです。


 そんなわけで、先生やお友達から「息子君の絵、上手~」と褒められることはあっても、何らかの賞をもらったことはただの一度もないのでした。


 所詮は市のやつなので、全国レベルでもなければ県レベルですらないんですけど、もうお祭り騒ぎでしたね。北海道の実家にも報告しました。向こうでもお祭り騒ぎでした。


 自分の場合、何かに選ばれて嬉しいっていったら、やはり、カクヨムここに限らず何らかのコンテストで一次通過とかそういう感じになるんですけど、家でわいわいお祝い出来ませんからね、良いですね、皆で祝えるというのは。


 あっ、でもかといって旦那にバラしたりはしませんとも。

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