第593話 全部録って
子どもって吸収力がすごいですよね。
何でしょうね、覚えてほしいことはなかなか覚えないくせに、そこはまだ覚えなくても良い、ってやつはあっさりインプットされてしまったり、っていう。
ちなみに、この『出来ればとっとと覚えてほしかったのになかなか覚えてくれなかったこと』というのは、息子でいうと、
『おしっこを全部出しきってから(何か最後振ったりする?)、パンツを履く』
ですかね。
なかなか覚えてくれませんでしたね。結構な確率でパンツが濡れてまして。いまトイレに行ったばっかじゃん!? っていう怪奇現象が起こってました。旦那に確認してもらったところ、最後の振りが甘かった、というか、してなかった、みたいなことを言ってましたね。男性は大変です。
娘は『字』ですね。
本人は読むことも書くことも興味があるようで、そういうことならば、と書かせたり、一緒に練習したりするんですが、どうしても『あ』や『お』辺りが鏡文字っていうんですかね、左右逆になっちゃう。たまに直るんですけど。
まぁ、そんな感じで、こっちが「これは覚えてくれ!」っていうのはなかなか覚えないけれど、「それはまだ良い!」ってやつを覚えやがったぞ、という話なんですよ今日は。
子ども達がですね、とうとう、TVの便利な機能に気付いてしまったんですね。
録画、です。
もちろん、普段から録画したやつを見ているので、録画をすれば、あとで何回も見られる、というのは知ってるんですけど、それは大人にしか出来ない特別な操作だと思っていたっぽいんですよね。
まぁ、無理もないですよ、リモコンってボタンたくさんありますし、立派な大人の私でさえいまだに解明出来ていないやつもありますから。息子は字が読めるといってもさすがにリモコンに書かれているような漢字全部はわかりませんからね。まぁ、再生とか一時停止はあの▲(向きが違うけど)とかⅡ(似てるのがこれくらいしか浮かばなかった)の形で覚えてますが。
それと、録画もですね、予約のみしか知られていなかったといいますか、番組一覧を表示させて、そこから選んだら録画出来る、みたいな認識だったっぽいんですよ。
けれども最近、予約するのをすっかり忘れて、というか、その番組の存在自体をすっかり忘れてる状態でそれが始まってしまい、ええい、ここからでも良いや、レッツ録画! ってやったのをばっちり見られてしまいまして。
「このボタンを押せば、いまやってるやつを録れるんだ!」
って子ども達にバレたんですよね。さすがにまだ番組表を表示させるのは出来ないみたいなんですけど、その番組が始まった瞬間に録画ボタンを押せば録れる、っていうのを覚えてしまったわけです。
それからはもう、夕方のEテレ視聴時は、兄の手元にはリモコンがスタンバイされ、何かが始まる度にピッ(録画)ですわ。その後ろで娘がソファでふんぞり返って(兄はお絵かきするので床に座る派)、
「にいに、全部録ってね」
って指令出してんですよ。
兄さん大忙しですよ。
Eテレの番組って、5分とか10分とか短いやつがノーCMで次々と流れますからね。畜生、NHKめ。
そんで、どんなに短くても、1本は1本ですからね、一日でとんでもない量のタイトルが録画一覧に追加されるわけです。それをちみちみと消すのは大人の仕事。
まったく、とんでもないこと覚えやがって……。
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