第382話 メダリスト
ええと、今年ってオリンピックなんですもんね。
私ね、結構すぐ忘れるっていうか、いや『東京2020』みたいなのはわかるんですよ。だけど、その『2020』部分といまの『2020年』が繋がらないと言いますか。だってほら、まだ2020年も始まったばっかりじゃん? まだふんわりと2019年感がある私です。
そんな私であるわけなので、当然、今回の話もオリンピック関係ないです。
先日ですね、旦那が娘と息子と一緒に帰って来たんですよ。
そしたら、娘がね、見慣れないメダル的なもの(折り紙で作られたやつ)を首から下げているわけです。
おうどうしたどうした。とうとうその類まれなるむちむちほっぺたが何らかの賞を受賞したか? なんて思うわけですけど、もちろんそんなことはなく。余談ですけど、手のタレントさんとか足のタレントさんって、その手や足に保険かけるって聞いたんですけど、これ、ほっぺにもイケるんですかね。永遠に守りたい、このほっぺちゃん。
ちなみに娘がたくさん野菜を食べた日に「お野菜たくさん食べたから、明日、ほっぺがすべすべのもちもちになってるんじゃない?」と言うと(そう言うと結構気を良くして次ももりもり食べる)、「え? もうなってるけど? さわってみてもいいよ」と得意気に返してきます。
さて、余談は置いときまして。
そう、そのメダルなんですよ。
「ほら、娘ちゃん、ママにも報告しないと」
と旦那に促され、もうほっぺをぱんっぱんにしてですね、そのメダルをくるりとひっくり返して裏面を見せてくれたのです。
『いすとりゲーム ○○くみ 1い』
椅子取りゲームだったのです。
運動神経も0な上、自身の尻をぐいぐいとねじ込む度胸もなかった母にはなしえなかった快挙を、娘が!
……いや、ていうかですね。
娘、この○○組(年中クラス)で断トツにデカいんですわ。
そりゃあそうよ。下手したら、娘より頭一個分小さい子とかザラにいるわけです。そんな子達がですよ、普段から「あのねぇー! 娘ちゃんねぇー!!」の我が我がでお馴染みのぐいぐい系女子、娘ちゃんの尻に勝てるわけがないんですよ。
ていうか、お前大好きな○○君のことも蹴散らしたんか。その尻で。
っていうことがありましてですね。その後、息子の参観日の中で、偶然にも椅子取りゲームをするというイベントがあったんですよ。しかし、息子は学年の中でも5本の指に入るんじゃないかってくらいに小さいのです。家で見るととっても大きくなったように感じられるのですが、学校に行くと小さくなる男。
いや、しかし、小さい方が何かこう、小回りが利くとか、軽自動車みたいなノリで、そういうアレでどうにかならないかしら。
母はハラハラしながら我が子の雄姿を見守ります。
――が。
まぁ、大方の予想通り、かなり早い段階で弾かれてましたね。悔しさのあまりにちょっと泣いてしまいましたが、同じく離脱した子達(男子)が「息子君泣かないで」とわらわら寄ってくるわけです。
こいつ、まだモテてんのかよ。
しかも同性かよ、と嬉しいやら恐ろしいやらでした。
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