第381話 見ちゃうよね
私ね、高校生くらいからでしょうか、あんまりテレビを見ない方だったんです。ちょうど特撮から離れてた頃ですかね、高校~大学と。ただ、高校生の頃、深夜にスタートレックとか、洋楽の番組は見てましたけどね。それくらいでした。ドラマとかあんまり興味ないし、歌番組をチェックするほど好きなアーティストがいない、というか、あんまりテレビ向けじゃないアーティストが好きだったというか、まぁそんな感じでして。
それがいまや、結構見てます。
子どものEテレ然り、ディーライフの『ブリティッシュ・ベイクオフ』然り、あとはアニメもちょいちょい見てますし、バラエティ番組も見ます。え? ニュース? や、やだなぁちゃんと見てますよぉ。
とまぁ、そんなこんなでやっぱりテレビって面白いなぁといまさら何かのCMみたいなことを思ってるわけなんですけど、相変わらずドラマ関係は見ませんね。後からどうしても気になったやつはレンタルで一気に借りちゃうとか、Amaz○nPrimeにある場合はそれで見ちゃうんですけど、リアルタイムではまず見ないです。あのね、1時間って長い。で、1時間も見てるのに『続く』ってなるじゃないですか。あれがちょっと。その上、えーとどんな感じで終わったんだっけ前回、ってすぐ忘れちゃう。
なので、1話完結系のやつなら割と見ます。濱田岳君の釣りバカ日誌とか、3匹のおっさんとか。
先日ですね、家族4人で温泉に行ったんですね。ちょうど女チーム男チームで分かれますから、宇部家は。
娘とキャッキャウフフとお風呂に入りまして、上がりますと、やっぱり男性の方が早いんですね。息子はアイスを食べ、旦那もジュースを飲んじゃってるわけです。休憩所でテレビなんか見てね。その時はアニメが流れてたのかな。息子がね、お口をぽっかり空けてガン見してるわけです。周りがおじいちゃんおばあちゃんばっかりだったのできっと息子に気を遣ってくれたのでしょう。ありがたいなぁと思いつつ、娘とアイスを買って食べておりますと、息子がトイレということで旦那と席を外しまして。
するとこのチャンスを逃してなるものか! みたいなスピードでおっちゃんがチャンネルを替えたわけです。いや、良いんです、ここはみんなのテレビ。ただ、戻ってきた息子が「えー、見てたのにー!」とか言い出したら気まずいぞ、と。頼むぞ旦那、と。穏便に言い聞かせろよ、と。そう思いながら2人が戻ってくるのを待ったわけです。
ほどなくして息子と旦那が戻ってきました。いち早く気付いた旦那が早速息子に耳打ちしています。よしよし、良いぞ。あんまりあからさまに諭すのも感じが悪いですからね、小声でさらっと言うくらいで良いんですよ。お前ももう小学生ならわかるだろ? 空気読めよ? 頼むぞ?
そんな思いでですね、それでもなるべくこのアイスを早く食べ終えて車内でさっきの続きを見せてやろうと急いだわけです。が、娘!!
全然減ってねぇ!!
駄目だ、娘にアイスの早食いなんて無理なんだ。
もう良い、諦めよう。息子、家帰ったら録画したやつ何でも好きなの見て良いから、ここはひとつちょっと我慢して――、
いや、めっちゃ見てる!
ぽっかり口を開けてガン見してる!!
何? そんな面白い番組だったっけ?
とテレビを見ますと。
『孤独のグルメ』
ちょうど井之頭五郎さんがもっしゃもっしゃと食べてるところでした。中華だったかな、なんかあのくるくる回るテーブルをくるくるしながら食べてました。息子、おっさんがただ飯食ってるだけのドラマをガン見してんの。いや、面白いよ? 面白いけどね、我々はね? え? 7歳の子どもにも伝わるの、この面白さ?!
やっぱりね、面白いものは、見ちゃうよね、っていう。
それが例えおっさんがただ飯を食ってるってだけのドラマであっても。
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