第372話 疑惑

 これまで微妙に濁してきてた(たぶん)んですけど、私、秋田県に住んでるんですよ。ええ、やっぱり美人は多いですね。クオリティが高い。あとやっぱり色白の方が多いです。さすが日照時間ワースト県! いつだって薄曇りだぜ!!


 さて皆さん、秋田県、といえば何を思い浮かべます?


 お米? はいはい、あきたこまち最高です。新潟に住んでコシヒカリ食べてればそっちが最高になるのかもですけど、いまのところあきたこまちがナンバーワンですね。食えば都。


 なまはげ? ええ、ええ、節分ではお世話になりました。秋田の子どもが何よりも恐れるもの、それが来訪神・なまはげです。見た目あんなんですけど、鬼ではありません。神様です。神様、包丁はしまってください。


 超神ネイガー? あなた詳しいわね。言わずと知れてほしい、秋田県のご当地ヒーローです。ぺらっぺらの衣装じゃないです。デザインがかなりガチ。このままニチアサに飛び込んでもイケるくらい恰好良い。ネイガーはかなり地域密着ヒーローなので、普段は田植えとかしてます。中の人がプロレスラー?(現役なのか、元なのかはわかりません)なので、ガタイがめちゃくちゃ良い。分厚い。だけど声は優しい。


 とまぁ、こんな感じで並べてみましたけども、あなた大事なところ忘れてるわよ、ってのがあるわけです。


 そう、スギです。

 秋田といえば秋田スギ。いやぶっちゃけ、北海道から来てすぐの頃は「へぇー、秋田って杉の木が有名なんですねぇ~」くらいの認識だったんですよ。でもね、住んでみますと、何やらこのスギで周りがざわざわしてるんですよね。あれですよ、あれ。


 スギ花粉。

 いや、私はね、実はまだ花粉症になってないのです。まだ無事。出来ればこのまま御免こうむりたいところ。

 何かほら、あんまり清潔にし過ぎてると駄目だとかね、そういうのを昔聞いたっていうか、それはウチの母親からなんですけど、多少雑にしてる方が良いんだ、みたいなのを信じてるもんですから、あんまり除菌だ何だってやってない私です。なぁにかえって免疫がつく方式。それが良いのかたまたまなのか、いまのところ持病のアレルギー性鼻炎だけでとどまっています。え、それは花粉症なんじゃないのって思うでしょ。一応違うらしいのです。まだスギ花粉に対しては強気。


 いや、旦那がね。


 何か最近鼻水がやたら出るなぁ、くしゃみが出るなぁ、ぐしゅぐしゅちーん、ってやってるわけです。おいお前、もしかしてアレか、アレなんじゃないのか、ヘイヘイヘーイ! って。


 とりあえず、ただの鼻風邪の可能性も捨てきれないというわけで、様子を見ている状態です。願わくばただの鼻風邪であってくれ!


 何ていうんでしょう、この『くしゃみ鼻水系』の症状で花粉症が一番厄介じゃないです? 鼻風邪はあれ治るじゃないですか。でも花粉症って治らないんですよね? 私の鼻炎も季節の変わり目にひょっこり現れて、しばらくすると去っていくんですけど、花粉症ってその症状の激しさとかも半端ないじゃないですか。だからいま祈ってるんですよ。どうかどうか鼻風邪でありますようにって。いや、コロナさんとかではないと思うし。思いたい。


 もう『花粉症』って言葉がもう『絶望』の類義語みたいな位置におりまして、かかったが最後、もう死ぬまで治らない、っていうのがもう恐ろしくてですね。あんまり考えないように、これは鼻風邪だと強く思い込むことによって、そっちの案を採用してもらえればな、なんてね、そんな言霊的なアレを信じているわけです。

 だからそれにプラス私の鼻炎もお付けして、気持ちの上で『鼻風邪+鼻炎』で『花粉症』を撃退しようと「もしかしたら私と同じ鼻炎かもよ!」って励ましてみたんですけど、


「それはそれで嫌だ」


 ってあっさり返されました。


 畜生。


 ※どうやら鼻風邪だったみたいです。私にも伝染うつりました。

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