第340話 大人の○○
お菓子とかジュースとかそういうのでなんですけど、『大人の○○』ってあるじゃないですか。
私、大人になって結構それなりに経つもんですから、こういう『大人の』ってつくと、「こちとられっきとした大人でござる」ってなもんでついつい買っちゃうんですよね。
だってもうお酒を買おうが(飲まない)、煙草を買おうが(吸わない)、「ちょっと君、いくつ? 年齢確認出来るもの持ってる?」なんて聞かれることもない、正真正銘の大人なんですよ。免許証や保険証がなくたって、「ああこいつ確実に二十歳は超えてる……ていうか、間違いなく三十路後半」って判断してもらえる(畜生!)くらいの脂の乗りまくった大人ですから。むしろここで「おねーさん若いね、10代?」なんて声をかけてくる輩なんて、確実に壺を売りつけようとしてるか絵を売りつけようとしてるか、あるいは眼鏡かコンタクトが人質に取られてるかですからね。
さて、そんなこんなで『大人の○○』を買っちゃう私なんですけど、何でしょうね、あのパッケージの高級感みたいなの。やっぱり大人ですからね。大人たるもの常に財布の中には紙幣(諭吉とは言ってない)が入ってるわけですから、それをぺらっと振りかざしてですね、どどんと買っちゃえるわけですよ。このご時世に電子マネーじゃねぇのかいというツッコミは現在受け付けておりません。だってなんかちょっとおっかなくて、私まだ現金派なんですよ。ただ、『大人』って書いてるからってめちゃくちゃ高いわけじゃないんですけどね。だっていまはほら、大人もそんなにお金持ってないからね?
それはそうと、その『大人の○○』なんですよ。ついつい買っちゃうのは良いんですけど、毎回毎回思うことがあるんですよね。
何でこんなに甘くないのよ……、って。
どうして控えてるのよ、甘さ。
何? 大人だから? 糖尿病予備軍だから? 控えろって? そういう話?!
良いじゃない! 大人だって甘いの食べたいのよ! 何よ、カカオ70%って。やめなさいよ、ビターとか! 大人がみんなほろ苦を求めていると思うなよ!
いや、ビターが好きなほろ苦好きの大人の皆さま、ほんとごめんなさいね。『大人~』っていう文句と雰囲気で買っちゃう私が悪いんですけどね。でも、私は『大人の女性向け』に作られたうっとりするほど甘いチョコレートを食べたいのよ。ゴディバとか行けって? うん、まぁ……バレンタインとかならね? いや、それ結局あげる方だしね? 私の口に入らん!!
あと、そうですね。
最近飴のコーナーで物色してて気が付いたんですけど、いま、ほんと色んな種類の飴があるなぁ、って。血糖値の上昇を抑えるとか、睡眠の質を上げるとか、コラーゲンがどうだとかね。飴を買う時ってだいたい喉の調子が悪い時とか、風邪が流行ってる時とかなので、たいていのど飴なんですけど、成る程、こういうやつなら普段舐めても罪悪感がないのかしら。
って、ついついそういうお菓子メーカーの策略にハマっちゃうっていうね。ええ、コラーゲンがどうとかの飴、買いましたわ。コラーゲンって経口摂取しても意味ないとか聞いたことあるんですけどね。それでも踊らされてしまうんですよ、大人はね。うん、大人だから仕方ないね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます