第319話 年の瀬もやっぱり色々ある

 まだまだ年末のネタがあるわけです。


 宇部家は――というか私はやはりネタに愛されているというか、認めたくはないんですけど、どうやらドジっのようでしで。娘ってオイ。


 毎年、年末の恒例なんですが、大晦日は旦那の実家にお泊りなんです。で、手ぶらで行くのもなぁってことで、筑前煮をね、作って持っていくんです。他県に住んでいた時はちゃんとタッパーに入れてね。いまは鍋ごと持っていってますけど。


 昔はちゃんと作ってたんですよ。レンコンとか買ってね。タケノコだけは水煮のでしたけど。でも最近は鶏肉以外のやつが全部水煮されてるやつを使ってます。あとは鶏肉入れて、自分で味付けして――って感じで。

 お世辞かもしれないですけど皆さん美味しいって食べてくれるものですから、こちらも作り甲斐があるってなもんです。例え8割くらいがほぼ出来ている状態だとしても。


 で、今年もですね、馴染みのスーパーでその水煮パックを買うぞ、ってね。家族全員でスーパーに行ったわけですね。やはり年末ってことで混んでますし、ちょっと遅めの時間だったのでわたわたしながら何とか買い物も終了しまして、そんで30日が仕事休み(で、31日は仕事)だったので、いざ、ってね。


 あれ? 

 あれれ?


 あれれ、なわけです。

 何かいつもとパッケージが違うな、って。


 いや、これあれだわ。

 水煮とかじゃないわ。

 もう出来上がってるやつだわ。


宇部「え? ちょ、これ。もう出来上がってるんだけど」

旦那「え? うわマジだ」

宇部「どうしよう。これタッパーに入れて何食わぬ顔して持ってく? 駄目だよね」

旦那「良いんじゃない?」

宇部「良いわけないじゃん」


 ちなみにこの会話、実際には呼吸困難になるほど笑ってます。


 ちなみにその筑前煮パック、スーパーで旦那が「あったよ、はい」って私に渡して、「あーこれこれ」って私がかごに入れてるんですよ。どっちも気付かない。検問がザルすぎるわけです。

 結局旦那がもっかいスーパーに行ってくれて事なきを得たわけですが、やはり12月30日も気が抜けないわけです。ギリギリまでネタの神が私に微笑みまくってるわけです。いやたぶん何なら指差して笑ってるでしょうね。プークスクス、あいつ馬鹿じゃんって。


 そんでもって、まぁ、その日は私が休みだったので、一足先に仕事納めした旦那と子ども達とでお出かけしたわけなんですが、お昼ご飯を食べようとフードコートに行きましてね。子ども達のを先にさっさと頼んで、旦那のも頼んで、それじゃあ私も買ってくるねーって、たぶん早いだろうからす●家で良いやーって、列に並んだんですよ。ぱっぱと出てくるとはいっても、それでもそれなりに待ちましてね。で、やっとカウンターの近くに来たぞ、と思ったんですけど、何か様子がおかしいんですよ。


 出口、って書いてるんです。いや、ここ出口というよりは入り口よね? だってここから列が始まってるわけだから。ほら、おっちゃん、カウンター空いたよ? 注文してよ、って思ったんですが、そのおっちゃん、ちいとも動かないんですよ。


 そこでやっと気づいたわけですよね。


 あ、ここ、注文の列じゃなくて、受け取りの列だ、って。


 つまり、いままで並んだ時間、丸ごと無駄、っていう。


 私はアラフォーにもなって何やってんだと。

 下界に初めて降り立ったのかよ、と。


 で、あわあわと牛丼を買い、あわあわと席に戻ると旦那は食べ終わってましたが、子ども達はまだもっちゃもっちゃと食べてました。


 っていうね。

 ネタの神がどうこうっていうか、これはもう単に私が馬鹿だってだけですけどね。



 

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