第269話 専属メイク師現る

 女児の憧れる化粧品といえば、やはりダントツで口紅なのではと思うんですよ。わかりやすいアイテムじゃないですか。サッとひと塗りでぐっと華やかな印象になるというか、一気に『お化粧しました』感が出るといいますか。


 というのも、子ども達が『がんばれルルロロ』という可愛いくまちゃんのDVDを借りてきてですね。

 ぬいぐるみみたいな感じの可愛い双子ちゃんのお話です。NHKでやってるやつで(いまもやってるのかな?)もう全編可愛い要素しかないやつ。内容も平和です。


 これの前に借りてきたのが可愛いマスコットが登場しつつもさらっと禁断過ぎる恋(両想いになったと思ったら兄妹でした!)をぶっ込んでくるという、(親的には)ハラハラする内容のものだったので、余計に可愛く見えてしまって。


 で、そのルルロロちゃん(二匹まとめて呼ばれちゃう)がですね、


「ぴっ、けいれいっ!(・ω・)ゞ(・ω・)ゞ きょうのおしごとは、ママのくちべにをぬっておとなになること!」


 なんて言い出すわけです。可愛すぎる。


 ちなみにこの二匹(熊だから二頭?)は毎日「ぴっ、けいれいっ!(・ω・)ゞ(・ω・)ゞ」と言って、何かしらの『おしごと』をします。


 ママのドレッサーからですね、真っ赤(じゃないけど真っピンクでもない)な口紅を拝借して――って内容で、それを見た息子&娘はですね、もう何度も見ててオチなんてわかりきってますから、


「ママのくちべにいたずらしたらダメなのにー!」だの、

「ママのくちべにこわしたら、ママかなしいよねー? ねー?」ってキャッキャキャッキャとこっちに聞いてきたりするわけなんですけど。


 ごめんな? ママね、口紅なんて持ってないんだ。かろうじてグロスはあるけど、年に何回使うだろう。


 それでも子ども達の中には『ママ=口紅』みたいな図式が成り立っているようです。ママが君達の前で塗ってるのは薬用リップ(メンソレータム、無色)なんやで、ってなぜか関西弁で突っ込みを入れつつ(東北だと「薬用リップだで(だど)」になります)。


 ふと思い出したんですけど、私の母親、宇部マザーは口紅をちゃんとしてたな、って。

 ただ、スティックをそのまま口に、っていうテレビとかで見るような塗り方じゃないんですよ。リップブラシに取って塗ってたんです。直塗りしない派! 残りわずかなやつを――とかじゃなくて、新品だろうが何だろうがブラシでいく!


 で。

 そういやウチの姑さんもブラシ派なんですよね。私なんかは出歩く予定がなければ素っぴんでいいやーって思っちゃうんですけど、姑さんは毎日しっかりお化粧するのです。女子!


 さて、そんな姑さんですが、最近専属のメイクさんが出来たらしく。


 ……ええ、娘です。

 

 噂によると、娘はですね、オバーバの眉毛と口紅を担当しているようでして。どっちもかなり重要なパーツ!!!

 いや、まだアイラインじゃなくて良かったと思うべき!? あんなところやらせたら失明の危機!


 ただ、いまのところ、とりあえずオバーバのお顔がピカソみたいなことにはなっていないので、なかなか優秀なメイクさんの模様。

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