第239話 地球か私か

 近くのホームセンターで、先日の台風の募金箱が設置されておりました。わずかではありますけど、早速募金をしてきました。


 ちなみに宇部家は被害0です。余計に買い込んだ水やら養生テープやらが溢れているくらいです。水は飲むから良いとしても、この養生テープ、今後どのように消費していったら良いのやら、という平和な悩みを抱えております。


 さて、今回の台風は、いつもなら温帯低気圧になって通りすぎていくはずの東北も、台風のまま通過するということで、日本海側の我々も少々焦りました。

 普段なら窓に養生テープなんて張りませんし、水も買いませんし、お風呂の栓も抜きます。

 ただ、普段の備えとして、カセットコンロ(ウチはオール電化)ですとか、懐中電灯に長持ち乾電池、それからモバイルバッテリーなんていうのはあった方が良いものですから、今回を機に購入しておきました。


 近所のホームセンターでも土嚢袋やらブルーシートやらが品薄状態になっていたりして、そういうのを見ればやっぱり焦るんですよ。えっ、ほんとに何も用意しないで大丈夫? と。それにつられて買った部分もあったりしますが。


 さて。

 カップ麺ですよ。

 災害時の備蓄品としてストックしておきたい例のあれです。

 とはいえ、何年も持つようなものではないわけで、普段の生活の中で常に古いやつを食べ、また新しいのを補充する『ローリング・ストック』という方法を推奨されております。


 しかし、カップ麺って正直なところそんなに日常的に食べたくないといいますか、毎日のように職場で食べておりましたら、あっという間に肥えたのでね、最近は少々自粛していたのです。


 けれど、今回は有事。

 買ってしまったものは食べるしかないわけです。仕方ないなぁウフフ。


 で、カップ麺を食べる時にいつも思うことなんですが。


 最終的に、「地球か、私か」って話になるな、っていう。


 昔、何のCMだったかまでは忘れたんですけど、若い女性が夜の11:55くらいにケーキとにらめっこして、このままだとこれは生ゴミになるから、地球のために私が犠牲になるわね、って食べるんですよ。そんな時間に高カロリーなものを! あとは寝るだけというこの時間に!! 犠牲がデカすぎる!!


 つまりはそういうことなんですよ。

 

 そのカップ麺、スープまで飲むよね、っていう。いや、そういうことだったの!?


 だってそのまま流したら地球が汚れるじゃないですか。細かい麺とか挽き肉とかそういうのがあの網のところに引っ掛かったりとかもするじゃないですか!

 でも私がそれをすべて飲み干せばですよ、最終的に行き着く先はトイレなわけじゃないですか。排泄物であれば、まぁどうにかなるじゃないですか、たぶん。排泄物をどうにか出来るんならスープもどうにか出来る気がしますけど。しますけどね。


 だから私はね、カップ麺ひとつ食べるにしても、地球のために犠牲になってるわけです。たったひとつのかけがえのない地球ですからね。まぁ私もかけがえのない私なんですけど。


 あ、ラーメン屋さんのスープは残します。

 ごめんなさい。ラーメン屋さんでは、何でかかけがえのない私の方が勝るものですから。

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