第223話 お菓子の家の謎
お菓子の家ってあるじゃないですか。ヘンゼルとグレーテルの。
最近、ウチの魔女がそれっぽいのを食べるっていうお話を書いたんですよ、そこでふと思い出しまして。
皆さん、お菓子の家のパーツを想像したことあります? 屋根はチョコレートでー、みたいな。子どもなら誰もが想像したと思うんですよ。そんでよだれをだらだら垂らしたと思うんですね。私だけ?
で。
いまもあるのかわかりませんけど、無印良品のお菓子でですね、クラッカーにメープル味のクリームが挟まったやつがあったんです。高校生か大学生の時だったと思うんですけど、それを初めて食べた時に、「これ、お菓子の家の壁だ!」って確信したんですよ。
何でしょうね、前世にグレーテルだった頃の記憶が甦ったんですかね。ていうか私グレーテル枠とかおこがましくない? お前ヘンゼルだろ。牢屋の中で、懸命に働く妹を横目にぶくぶく太り、鳥の骨とかで魔女を騙しながら生き長らえていた方だろ? とも思いましたけど、ちょっとくらい夢を見させてくださいよ。というわけでね。
とにもかくにも、あれはお菓子の家の壁の味だったんです、私の中で。当然、当時の友人にも同意を求めました。かなり興奮気味にね。
「ね! ね! これ! 絶対お菓子の家の壁じゃない?! ね! ね!」
メープルサンドクラッカーをぐいぐいと押し付けつついきなりこんなことを言ってきた私を、友人はどう思ったでしょうね。
あー、とうとうおかしくなったかな? いや、もともとおかしな子ではあったけど。可哀想だから同意してやるか。
と思ったかはわかりませんが、ただ、結構引き気味に「そう……かもね」と言ってくれたことは覚えてます。まだドン引きなんて言葉がなかった時代です。
しかし、それはそうとしてお菓子の家です。実はずっと疑問だったんですけど、あれってどこまでがお菓子なんでしょう。もちろん、腐るのかな、とか、虫が寄ってくるんじゃない? とか、むしろ腐りもせず虫も寄ってこないとなれば、逆に食べるのが怖いんですが、それは置いといて。
床は?
床も食べられる素材?
あの子達土足だったよ?
いや、この際土足か否かはそこまで問題じゃないです。裸足だろうが靴下を掃いてようが食べ物を踏むとか、ありえませんから!
うどんを足で踏んでるだろうって? ビニールに入ってるからさすがに!
葡萄も足で潰してるだろって? うーん、あれは……ちょっとよくわかりません。でも可愛い女の子が踏んでるし……むしろご褒美? それともあれかな? ワインになるからOKとかそういうやつかな? 発酵しやすくなるのかな? 足の裏の……菌的なアレで……いや、駄目だ。これ以上考えるのは危険すぎる。
まぁとにかくですよ。
お菓子の家の床なんですよ、問題は。あれは食べられるのか否か。床板をベリベリ剥いでガリガリ食べるのか。それともあの部分だけは食べられないのか。食べられない部分があるのにお菓子の家を名乗って良いのか。
そのあとで、防腐剤とか保存料とかの辺りをゆっくり議論していきたいですね。
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