第192話 クリスタルなアレ
やっと息子の夏休みが終わりまして(数日前に)ですね、とりあえず勉強以外の宿題も間に合い、ホッと一息です。
結局、あの朝顔はですね、夏休み終了2日前くらいまであちこち咲き続けました。たまたま遭遇した同級生の親御さんに聞いたところによると、早々に枯れてしまったのかそこまで咲かなかったらしいので、個体差とかそういうことなんでしょうね。だってもう適当に水あげてた(旦那と息子が)だけですから。九相図チャンスは訪れませんでした。良かった。
さて、久しぶりに登校しましてですね、初日は早めに下校でした。私がお休みだったものですから、自転車でお迎えですよ。ついでにスーパー寄って夕飯の買い出ししたりしてね。
で、宿題の後に食べるおやつ選びなー、って。
もううすうす気付いてる方もいらっしゃると思うんですけど、そう、あいつですよ。
フエラムネですよ! どんだけ好きなの、それ。そんなに美味しいものだっけ? 良いけどね、安いし。
さて、まだまだ勉強が楽しいお年頃、ウキウキと宿題を片付け、さぁ、お待ちかねのラムネタイムです。
エビ、プテラノドンときて、さぁ、お次は何だ?!
やはりゴジラの怪獣シリーズなのか?!
エビラ、ラドンときて――?
ころん、と出て来たのは、セミ!!
今回は何だか高級感のある透明なプラスチック(赤)のセミでした!! クリアな感じ。クリスタルな感じ。何となく(赤い)クリスタルなセミ。
なぁんだ、ゴジラじゃないのか、やっぱり。
さすがにコリス株式会社さんと東宝さんがコラボしてるわけないですもんね。
そして――、
「ミ――――ンミンミンミ――――ン!!!!!」
まさか居間でセミの声が聞けるなんてね。
こんなチャチなセミのおもちゃで楽しく遊べる小学生いる?! お前遊びの天才かよ!!
ピ――!! ピピ――ッ!!
と、そこへフエラムネのコラボ。これぞフエラムネの正しい食べ方! いやはや、これは近所迷惑ですよ。近所迷惑というか、私に迷惑です。ダイレクトに迷惑。ちっくしょう、うるせぇ。
ピーピーしつつミンミン。
ミンミンからのピーピー。
しかしフエラムネを買った時点でこれくらいの騒音は覚悟しておりましたとも。
けれどまさかセミが出るなんて。
そして、息子がセミの鳴き声をここまで忠実に再現してくれるとは盲点! 天才じゃない?! あなたもう天才じゃない?! 将来セミの鳴き声で食っていけるんじゃない?!
じゃなくて。
ふん、まぁ良い。
所詮は子ども。
フエラムネは食べてしまえばなくなるし、セミだってすぐに飽きるはず!
ふっ、これが大人の余裕ってやつだよ、息子君。くっくっく。
と、悠然と構えておりましたら……、
「セミラ~やっ、セミラ~♪ どんだんかしゃーくなっ、いどむ~♪」
何……だと……!?
モスラの替え歌だと……?
『コラボじゃないなら、こっちで勝手にコラボさせれば良いじゃない』
そんな声すら聞こえてきそうです。誰の声なの? セミの声なの?!
ていうかお前何でほぼほぼ正確な歌詞知ってるんだ。
「息子君、それ、セミラなの?」
「そう!」
「それ、セミラの歌なの?」
「そう! 『ざぴーなつ』が歌ってるの!」
「そうなんだー(小美人じゃないの?)」
おい誰だ、ザ・ピーナッツ教えたやつ!!
旦那か?! また旦那なのか?!
よーし、任せろ息子、ママのザ・ピーナッツ全集引っ張り出してくるからな!
ママは『南京豆売り』と『ふりむかないで』が大好きだよ!!
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