第87話 相変わらずわからない
いやまったく。
結構良い年だというのに、あれもわからんこれもわからんで、とうとう令和を迎えまして。
そろそろ何でもわかって「ふふ、何にも知らないのね坊や」なんて言ってみたいものなんですが、そんなことウチのリアル坊やにしか言えないというか、むしろお前は色々知ってくれ! って話で。
で。
今回、そういえばこれわかんないなぁっていうのが。
コク、と、旨味。
皆普通に言いますでしょ。
「あっ、これ、コクがあるー」とか、
「旨味がすごい」とか。
えっ、何それ。
それいつ習ったやつ?
私その時もしかしてお休みしてたかな?
あーもー、言ってくれればインフルエンザでも登校したのにー!(やめろ)
もう全然わからない。
何なら喉越しとか、キレ、っていうのもわからない。
だってあれ、ビールの話でしょ?
ビールもね、大人になったら飲めると思ってた。妊娠するまではね、弱いなりにもたしなむ程度には飲んだりもしてましたから、定期的に試すんですよ。どれどれ、大人の舌になったかな、って。
大嫌いだった焼きナスの美味さもわかったし、調理法によってはピーマンだって美味しく食べられるようになったし、私の舌は確実に大人の階段を上り始めてるわけ。ただ、一体何階まで上ればビールが飲める舌になるのか。それを確かめることも出来ないまま、妊娠してお酒を一滴も飲まない生活になり、それでもまったく飲みたくならないので、そのまま止めたわけです。
なので、喉越しとキレ、これはもう永遠にわからなくなりました。え? 喉越しの方は麺類でもイケます? いやいや、もぐもぐ噛んでるのに喉越しとかありなんですか?
さて、コクと旨味ですよ。
コーヒーでね、つってももちろんインスタントなんですけど、『コク深め』っていうのがあったんですよ。オッケーオッケー、これ飲めばわかるじゃん! いま飲んでるやつと比べたら良いんじゃん! 引き算したら『コク』求められるじゃん!
で。
飲みましたよ。
前のやつとね、飲み比べた結果。
苦い。
成る程!! コクって苦味ね!!
ってそんなわけないわ。
これ、濃いめに作った方がわかるんじゃないかってことで山盛り入れたせいだわ。ついでにいうと、ミルクと砂糖入れたらわかんなくなるよねってブラックにしたせいだわ。私、ただひたすら苦い液体飲んだだけだわ。
なんて反省しつつですね、量を調整して飲むこと数日。やっぱりいつもの同じ感じにしないと比べられないよね、なんてことでミルクと砂糖もね、投入しましてですよ。
結論。
美味い。
美味しいねぇってただそれだけ。
コクはね、もうお手上げという結論に至りましたよね。私はこれからも誰かが言った「これ、コクがあるー」って言葉に「ほんとだー(……はて?)」って愛想笑いを浮かべることが確定しました。
さて、お次は旨味だ。
聞けばこれを感じられるのは日本人だけだとか。
となるとですよ、日本に産まれ、日本で育ち、日本人を両親に持つ私にわからないわけがないのです。これでわからなければ私は一体何人なのだ。うーん、そうねぇー、パリジェンヌとか憧れちゃうわねぇ~。タカラジェンヌにも憧れちゃうけど。
さぁ、いざ! 旨味!! 行くぜ! 旨味のその向こう側へ……!!
ええと……。
ええっと……?
うっすい昆布の味、ってことで良いのかな?
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