第46話 カップ麺トラップ

 つい最近カップ麺のお話を書いたのでね、そういえばって思い出したお話を。


 身体に悪いと思いつつ、ついつい昼食がカップ麺になりがちなんですよ。

 夏場はホラ、お弁当が傷むの怖いなってことでね。

 冬場はホラ、あったかいの食べたいなってことで。


 いやーもう肥える肥える。そろそろ節制しないと、っていうのはまぁ置いといて。いっそ見ないふり。家中の鏡叩き割るわ。見なければ良いのよ現実を。


 そうじゃなくて。


 もう職場の皆さんにもそこつ者ってことがバレバレな私。仕事中は割とちゃんとしてると思う(思いたい)んですけど、休憩中とか、ちょっと気を抜いている時の抜きっぷりがヤバいというか。


 だから、3分待っていただきまーす、って蓋をぺりぺりしたら第3の小袋がぷかぷかしてたりってことは結構あります。

 さすがにスープとかかやくくらい存在感があれば見逃さないんですけど、あのちぃーさい調味油とか、そういうやつがね、私の目をかいくぐって、この小袋警察24時の検閲をするりと抜けてですね、留まっていやがったんですよ。俺は国家権力になんて屈しねえんだ! ってな具合にですね、ダム建設はんたーい! みたいな感じだったんですかね。それなのに、私はそんな彼の声に耳を傾けることもなく、非情にもお湯を! 沸かしたてのお湯を!! ああ! 


 そんでまぁ、これがカップ麺トラップその1なんですよ。その1ってことは当然2もあります。その2はですね、カップ麺に限らない話ではあるんですけど、いまのところカップ麺くらいでしか食らってないトラップです。


 それは、『そっちかーい!』ってやつ。


 やっぱりスープやかやくの小袋のお話なんですけど、もちろん毎回同じやつを食べるわけではないので、味も違えばメーカーも違う。昨日のうどんはこんな小袋だったけど、今日のラーメンはこのタイプの小袋かー、ふんふん、液体スープね、とか。で、粉末スープを蓋の上で温めるくらいは日常茶飯事なわけですけど、問題は、この小袋のギザギザぜんっぜん破れねぇな!? ってやつです。


 で反対側のギザギザもトラーイ! くそっ、やっぱり駄目か! の結果、両方のギザギザがへなへなに。

 も、もう一体どうしたら……?

 ハサミの兄貴? ここで真打ち登場? 何せ兄貴に切れねぇもんはねぇ。レトルトパウチすらもさくっといけるあのハサミの兄貴を!?

 いやいやわざわざ兄貴の手を煩わせるこたぁねぇんだ。あっしが何とか……! ここは歯を使ってでも……っ!?


 ギザギザなしの部分『こちらのどこからでも開けられます』


 そっちかーい!


 それじゃお前何のためにギザギザしてんの!? お前のそのギザギザ飾りかよ! ていうか、だとしてもギザギザしてるなら切れろよ! そこから! 何? 私のせい? 私の手そんなにぬるぬるしてた!?


 っていう。

 これ、地味ーに毎回引っ掛かるんですよ。


 しかも、ギザギザで切る気満々で粉スープを下に集めてますからね。え? そっち? って焦って粉の位置を変えずに切って、ぶちまけるっていうパターンもありますから。やらかし方のバリエーションも多彩。


 で、たまーに「その手にゃ乗らねぇぜ?」ってギザギザじゃない方から切ろうとすると、別にどこからでも切れなかったりして、お前はお前でギザギザパターンかよ! ってこともありますし。

 ギザギザもなければどこからでも切れる気配もなし、もう打つ手はないのか……(ハサミの兄貴をチラッ)と思ってたらまさかの切り込み有りパターンとか。


 ほんともうトラップが多種多様。

 多種多様に惑わしてくる。

 毎回引っ掛かってる私も大概ですけどね。


 だからもう最終的には、カップ○ードル最強かなって。


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