第44話 こだわりのアレ

 このエッセイではもうどうでもいい感じなんですけど。ていうか、それ以外の小説とかでも、まぁいっかな、ってやつもあるんですけど。


 あるでしょ、こだわり。

 ない? ないわけないよ。あるって。探して、よーく。


 そんなわけで。

 私のこだわりね。またの名を足枷。


 タイトルですよ、各話の。

 何でか字数をそろえたい。

 何ならそろえたいのは字数だけじゃなかったりもするけど。雰囲気っつーのかな。


 いまコツコツ更新してる『片岡君はしゃべらない』なんかはもうもろそれですよね。もう何が何でもその章の中のタイトルはきっちりそろえてます。別にそんなことしなくても良いんですけどね。何かついつい、ですよ。昔書いたやつのタイトルは、いま見るとむずむずしてきますけど、まぁ直すほどではないですし。いまも書いている『オリヴィエ旅行記』なんかは、こればかりはどうしてもそろえられないので、頭を『〇食 at ~』にすることで折り合いをつけているわけですが。


 だから内容が書きあがっても「クソッ、タイトルが……っ! タイトルが決まらない……っ!」ってなる、という。止めちまえ止めちまえ。そんなんで読者さんを待たせてるんじゃねぇよ! 

 でもこだわりたい。

 細部までこだわりたい。

 これが細部なのかっていうのかはまぁおいといて。


 そんな面倒くさい私。

 そう、面倒くさいといえばね。


 何を隠そうこの私! ってだいたい何でも隠してませんけどね。だいたい丸出し、丸腰。


 いや、違う。出してる出してないの話をしたいんじゃない。いえ出してませんから。


 あのですね、猫舌なの。

 熱いの駄目なんですの。

 だけど、だからといって最初っからぬるいのは認めない。

 あっつあつで提供されたい。

 そこから私好みに冷ましていきたいの。

 猫舌だっていうと、じゃ、少し温めにしとくね、って気を遣ってくれたりしてね、みそ汁とか温めのがきたりするんですけど、ナーンセーンス!!!!

 みそ汁はぐっつぐつに煮えたぎってないと! いや、煮えたぎって良いの?


 でも正直、そんな人面倒くさいじゃないですか。

 ……一瞬『人面じんめん』って見えてドキッとしたわ。何なのこのエッセイ。くノ一が現れたり。人面まで浮き上がるの!? ってね。


 そんな人面話は良いんですって。


 とにかくね、あっつあつでほしいなら猫舌とか言ってんじゃねぇぞってね。だからね、言わないようにしてます。じゃあ何で言ったんでしょうね、ここで。

 なので、前々回の美容室の話と少し関連してくるんですけど、ほら、カラーとかね、長丁場の時って、飲み物出してくれるじゃないですか。ホットコーヒーをね、お願いしますとね、そりゃああっつあつで来ますわ。それをね、ふぅふぅして良い感じにしつつ飲みますよね。

 そんで、言われるわけです。


「では、流しますね、シャンプー台へどうぞ~」って。


 さぁ、笑っちゃいけないやつ、スタート! ってなわけでして。

 まぁ腹筋とか色々頑張って戻って来るじゃないですか。さぁ、もう飲み頃だな、って思うわけですよね。


 新 し い や つ !(湯気もわもわ)


 まさかのサービス!

 そんなに気の利いてるお店なのね、ここ!

 びっくりしたわ!


 とりあえずね、言いましたよね。


「ううう嬉しい~、新しいの淹れてくれたんですかぁ~、わざわざぁ~? た、ただ私……猫舌なもので……うへへへ……」


 むしろあの氷なしのアイスコーヒーみたいになってたやつが良かったっていうか……。

 こんなのが好きだっていうやつがコーヒーを語って良いのかな?


 いや、言うほど語ってないからいっか。


 

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