第36話 日常に潜むギャンブル

 突然ですけど、まぁだいたい突然ですけどね、私、こう見えて(どう見えてたの?)酒もタバコもギャンブルもしないんですの。


 ていうか、更新が滞ってます、なんて書いたその翌日に書いてますからね、これ。

 滞ってんじゃねぇのかい。何だよお前。書くことあるんじゃねぇかよ、なんて言わないでください。宇部のことは嫌いでも、松清のことは嫌いにならないでください!(どういうこと?)


 さて、そんな全年齢対象の健全な私なんですけど。

 叩いても埃しか出ない私なんですけど(駄目じゃん)。

 幼児向け番組からオファーが来たって聖母の笑みで『NO無理』と言える日本人の私なんですけど。

 

 しかし、日常に潜むギャンブルには割と挑んでしまう傾向にあるようでして。


 これ一か八かだなぁ、って思っても、まぁ何とかなるじゃん? て飛び込んでしまうことがあります。


 いえね、ウチの僕ちゃん、小学校入学だなぁって、ちょっと一念発起してお道具入れるバッグとか、体操着入れとか、作ろうと思いまして。手作りしちゃうお母さんってやつに憧れちまいましてね、へへっ。

 いそいそとミシンを引っ張り出し、説明書とにらめっこしながらですよ、家庭科以来のね、ミシンさんとね、ああだこうだやってみたわけです。上糸がああだとか、下糸がどうだとか、返し縫いって何だったかなとか(そんなレベル)、糸のセッティングだけで1時間くらいね、費やして。


 私ね、もうおわかりかと思うんですけど、機械オンチなんですね。


 でも相手にしてるのは糸なんだけど。

 これも機械オンチになるの……? 糸オンチ……? 


 それは置いといて。

 で、さぁ、糸もつけたぞ、と。試しに塗ってみよう、と。


 だだだだだだだだだ。


 針関係は必ずしも一度指に刺しちゃう系の私ですけど(ホチキス、縫い針、ミシン針)、今回はセーフ! 布を私色に染めることなく縫うことが出来ました。よし、そんじゃ本番いったれ! と。


 ……が。


 そうです。

 そんな『宇部さんのわくわくお裁縫教室』なお話じゃないんです。来週はベッドカバーに挑戦! とかじゃないんです。今日のテーマはあくまでもギャンブル! いま! ルーレットが回りました! カララララララララ……って何かの玉も投入されました! はい、止まった!(私の知ってる精一杯のギャンブル的なやつ)


 さんざんミシンでだだだだってやってから、そぅっと裏を見ますよね。

 ええ、嫌な予感はね、してたんですよ。

 途中から試し縫いでは聞いたことない音してましたからね。でも、止められねぇ! 走り出した宇部は止められねぇ! で、端まで縫ったから止まったんですけど。止まるんじゃねぇかよ。


 裏、ぐっちゃぐちゃ。


 びっくりしますよほんと。

 何か貞子的なホラー作品って、必ずと言っていいほど洗面所が髪の毛でうわーって詰まるじゃないですか。あれ。あんな感じ。

 お裁縫してたはずなのに、貞子召喚しちゃってた。私どうやら召喚士だったみたいなんですよ。貞子の髪の毛だけですけど。いやー、黒い布で黒い糸なら多少のアラはバレないだろうって作戦が、見事に貞子となって表れた形ですよね。


 もう糸切り鋏を振るいましたよね。庭師かなってくらいに振るいましたわ。


 そんなこんなで、一か八かの勝負を仕掛ける私です。

 勝率? うーんと、3割くらい? 

 

 勝つか負けるかって話だとだいたい負けてます。

 でも、挑まずにはいられない!


 だって、何か考えるの面倒くさいから!!


 良いのかそれで。

 良いわけないけど。



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