第15話 車の話

 前の話で車が出てきた(出したのお前だろ)ので、ちょっと車の話をしようかと。いえ、ご安心ください。車の知識は0之助(また『之助』出てきた)ですから。スペックがどうとか、オプションがナンタラとか、そういうのじゃありませんから。頭文字○とかまで話飛びませんから。


 いえ、単純に見た目のことでして。


 私も一応ライセンス保持者なんです。ええ、普通免許の。こんな運動神経0之助でも、とれるもんなんですねぇ。学科も実技も落としませんでした。奇跡!!


 ただ、本当はとりたくなかったのです。

 車の運転というものに、微塵も興味がなかったのです。むしろバイクの方が良かった。


 ――え? ええ、そうです。仮面ラ○ダーの影響ですとも。それに戦隊ものもバイク移動多かったですから。いまはどうなんですかね。いまもバイク使ってるのかな。サイドカー付きも憧れたものです。


 ……あっぶね、また得意のコースにそれるところだった。


 そんな私がなぜ免許をとるに至ったか。もうあれですよ。就職。内定もらったところから、「そんじゃ免許とっといてね」って。


 やべぇ――――!!!

 企業様がおっしゃるんなら、こりゃとるっきゃねぇ――――!!


 って。


 雪が積もる前にどうにかとれました。

 いや、雪が降ってからの方が練習出来て良かったかもなんですけど。


 ただ、やっぱりあちこちこすりまくってですね。毎日乗ってるのにへったくそなんです。そのうち車使う部署から異動になったもんで、これ幸いと全く乗らなくなりました。

 もうペーパー歴が半端ない。ゴールド免許様のお通り(徒歩)だぁい! ヘイヘーイ!


 そんな私ですが、免許とった直後は、いつかはマイカーとか買っちゃうんだろうなぁ、なんてほんのり考えたものです。


 買えもしないのに車屋さん入って、カタログもらってきたりして。少しでも車のこと好きになろうとしてたのかな。いや、嫌いじゃないんですけど。でも、私の中で車っていうのは、家族にだけじゃなく、タクシー然りバス然り、誰かに乗せてもらうものだったのです。

 だから、あんまりこの形好きじゃないなぁなんて思ってても、口になんか出せるわけがない。こちらは乗せてもらってる側ですから。

 彼氏がデートに軽トラで現れても二つ返事で乗りますとも。「やった! 荷物たくさん乗せれるね!」ってなもんで。


 で。


 見る分には、やっぱりあのギャバン的(また出た!)なジープみたいな(さんざんジープジープ言ってますが、ジムニーってやつでした)のが良いわけです。山道も雪道もドンと来い! みたいな。頼れるお父さんのイメージなんです。


 でも、ちょっと待って。

 私、女。

 いくら特撮好きったって、案外キ○ィちゃんとか好きだったりする女。小物類もピンクでまとめてるし、リップだってほんのり桜色(当時は。――いま? いまはもうベージュですわ)。


 こんなゆるふわ女子(当時は。――いま? いまはもうノーコメントですね)が山道も雪道もヨイショォォォ――――!! な車乗ってたらちょっと……。


 いや、いまなら「逆にアリ!」って思えるんでしょうけど。


 いざ、自分が乗る、となると、違ったんです。

 つるん、とした玉子っぽいのが良かったんです。


 プリウスとか、モコとか。モコは昔、つるん、ってしてましたよね? ね?


 もちろん色は白。

 だって玉子っぽいのが良いわけですから。


 なーんてそうこうしているうちに私は部署を異動となり、モコはなぜか形が変わってしまい、そんじゃ、車もう良いやーってなったのでした。


 ――いま?

 もちろんいまもぴかぴかのゴールド免許様。移動手段は徒歩&自転車です。


 イエス、健康的!!!


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