光景がありありと浮かんで、十歳のセツに深く感情移入しながら、じっくりと夢中で読んでいました。
こんな過去があったのなら、セツが争いや暴力を、命を懸けてでも絶対に是としない気持ちもわかる気がしました。
ミオさんも、決して多くはないセリフや行動のひとつひとつに、圧倒的な存在感がありますね。偉大なお母様だったのですね。
いつもながらに描写が美しいですが、とくに生まれたての光季の娘の壊れそうな繊細な美しさに心をつかまれました。なんて美しいのでしょうか……。
「息をする童話、いや、神話というべきか」この文章がとても好きです。
気になっていた、セツとクワイヤさんの過去や関係性がわかって、ますますお話の続きが楽しみです。
作者からの返信
毎度細かなところにまでこころを配りながら読んでいただきまして、真にありがとうございます。
ミオは誇らかにみずからのあるべき生き様を通した母親だったのだと想います。どちらかというと騎士のような母親ですが、息子にたいする愛も深く、だからこそ最後にすべてを託したのだろうと。
このあたりの展開は、作者であるわたしの手を離れて、登場人物がそれぞれの意志と思惑で動いていたので、私自身、彼らがなにを考え、なにを選択したのか、考えながらの執筆になりました。
産まれたばかりのクワイヤの描写は…入魂しました(*^^*)
美しいものを表現したくて小説を書いているような節があるので、こういう描写はいつも胸が高鳴ります。これからますますに、うっとりとしていただけるような表現をきわめていきたいです。
編集済
「どんな表現も足らないほどに、彼女は。」
言葉で言い尽くせない美しさを、確かに感じました。
「それが、あまりにも美しかったから、彼は。」
言葉で言い尽くせない愛しさや想いを、感じました。
こういう表現もあるんだ。
このエピソードを読んで、想像してたよりずっとずっと厚みのある物語であることを思い知りました。ファンタジーという単一のジャンルでは括れない厚みを感じます。いや数年前に本屋大賞を取った某・超有名なファンタジー小説よりも、こっちの方が凄いです。(生意気でした、すみません)
作者からの返信
刈田狼藉さん
美しいものをちゃんと言葉にしたいという強いきもちと、言葉にしないことで言葉にしたいという矛盾から産まれた表現です。こういう表現が好きなので、ここぞ、というところでつかっています(*^^*)
あ、あ、なんてもったいないお褒めの言葉……畏れ多いことです。
わたしの想い描くファンタジー=幻想小説というのは主軸となる物語は、大きなせかいのなかで繰りひろげられる「誰かの物語」という印象が強いのです。主役が係われる物語はそのなかのひと幕、ふた幕で、それはつまり読者にとってもおなじである。という――うまく表現できないのですが。
作家が筆をおいても、あのせかいのなかではまた何処かで季節殺しが起こり続けているのだとおもっています。いつか、またそれも書きたい、ですね。