第314話町を歩いてみた
町を歩く、いつものように商人として入り。情報を集める、金を出せば簡単に入れる、まぁ見慣れない風貌の俺は人相の確認をされたが、特に問題は無かった。
ここでの俺の振る舞いはあえて田舎者の行商人。様々な物をなんだあれ?スゲーと語彙が足らない感じで褒めて住人から製作者の情報を得ようとした。
結果、あまりにあっさり名前は勿論居場所や地位まで知ることが出来た。有名人って奴だ。
道中の食事したが、どれも見たことがある物が多い。トマトベースのソースが多く見覚えがある料理が多い。異界人の影響が見て取れる。
あと特徴的なのはスラムが無い。孤児院もかなりしっかりしている。そしてギルドではなく職業斡旋する施設がある。
これのお陰で仕事が隅々までとはいかないだろうがスラムが無くなるくらいには最下層民でも稼いでいるのだろう。しかも障害や欠損の人間への救済処置もあるそうな。
全てがこの世界にはそぐわない。いや、違うかここだけ時計の針が急激に進んでいる。労働監督署もどきまであり、かなり厳しく厳正とか前の世界よりある意味すごい。
発明家と聞いたが、それは一側面でしかない。統治者でもあるのだろう。しかもこの町だけで他はちがうそうだ。
それを聞いて俺はここがどういう場所か察した。ここは実験施設、いやプレゼン会場とでもいった方がいいだろう。
だいたいここは教国の分派の勢力圏だ、普通ならこんな自由をやらせる訳が無い。こちらの方が上手く行く、そういう話をして頭が柔らかい類の上位者が試験的に試させた。そういうことだろう。
そうだとすればこの町だけこの栄え様で他の町は列車が通る以外は全然違う事にも納得が行く。文化とは広がる物である、それが市民に浸透した物であれば尚更だ。
さてどうやって近づくか。
宿の寝床の上で思考を巡らせてると、宿の小間使いが俺に客が来ていると緊張とどこか興奮が混じる雰囲気で呼びに来た。
この地で俺に客? いや、行商は数件行ったから無くは無いのか。警戒はした方が良いだろう。
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