第287話狩りへのお誘い
呼ばれて行って見れば案の定厄介事だ。元々この場所自体が魔族や魔物の領土付近であったが前統治者であり俺がこの前掃除した、厨二病患者がいなくなった事でパワーバランスが崩壊し。今や馬で3日行った先は世紀末状態だそうだ。
力で無理やり押さえつけた秩序は無くなった事で。一部有力者同士で屍山血河を築き。逃げ出した一部群集が略奪と殺戮を繰り返しながら、こちらに来ているとの事。本当エルフってのは狙われる生き物である。
こんな事情を話すか。簡単な事だ。ここの村長達は俺の有用性を分かっている。最高効率で来るであろう敵を撃滅する使い道を。簡単な話だ。ここのエルフの多くは俺の術式の中でほぼ問題なく行動が可能。そして、向い来る脅威は不可能である可能性が非常に高い。
なにが言いたいか? 不愉快な狩りのお誘いである。が、しかし、俺はあまりあのやり方は好きではない。理由は色々あるが、一番はSPの獲得が無効になる事だ。
もっと分かりやすく言うならレベルが上がらない事である。解除のタイミングを上手い事やれば0ではないがかなり取りこぼす。
そこで俺はこう言った「一晩猶予をくれ」と。
元々早い時間帯でもなかったので問題なく許可された。
その後シャライさんに呼び出された。リザの事でというので行ってみるが第一声に驚いた。
「貴方、手を出してはいないわよね?」
「見損なうな。お子様に手を出すほど餓えても落ちぶれてもいねぇよ。あまりに失礼だと思うのだがその辺りどうよ?」
「それならいいのよ。彼女に適当にアドバイスはしたけど、思い当たる節があってね。間違っても手を出さない様に釘を刺しときたいのよ」
「だから、出さない。多分だがその思い当たる節が俺の中で最高の落とし所であり、ハッピーエンドだよ。憧れと恋愛感情の混同なんて良くある事だろう?」
「自分で憧れとか言って恥ずかしくないの?」
「恥ずかしいとも。しかし、一番近い表現はそれだ。それに俺の望むように事が進んでいる場合はだ、向こうも気付くはずだ。そうなれば遠く無い未来に大団円だ」
「うわぁ。貴方完全に・・・」
「言うな。望む結果ではあるが、客観的に見るとあまりに虚しいからな」
「私が予言してあげる。貴方きっと生涯独身ね」
「シャライさん、アンタ最近本当に遠慮ねぇな。こう言う間柄じゃなかったら、脳に空気が足らないと判断して頭に空気の通り道作ってる所だぞ」
「やろうと思ってもないくせに」
完全にからかわれてる。三桁年上ともなれば仕方ない。
「とりあえず手を出す気は無いから安心しろ。少しばかり忙しいから俺は行くぞ」
これ以上は面倒だ、早々に立ち去るとしよう。
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