第286話暗雲

 こんにちはリザです。あれからなんだかんだで攻めに行こうと抱きついて見たり、ベットにもぐりこんでみたりしましたが。結果は残念ながら芳しくありません。拒絶されないだけマシと言った感じです。



 それから、すごくがっかりした事がありました。ダイスさんと修練する事になったのはいいのですが。いきなりベットに横になってと言われたのです。ええ、期待しましたとも。そうして次に起こったのは体に力が入らない謎の現象です。



 なんでもダイスさんの魔術だとかで。そこで動く訓練さえ行えば動けるようになるそうです。歩くなんてとんでもない、最近ようやく這う事が出来るようになった程度です。思いの他厳しいです。



 厳しいと言えば計算を教えてくれるのですが。優しいはずなのになにか怖いんです。なんなんでしょう?


進展ははっきり言って見えません。ですが、私に教えている事は一緒にいる事を前提とした事ばかりです。



 これは愛されていると思ってもいいですよね?








 最近はリザに色々と教え込んでいる。万が一のリスクを避ける為と彼女の未来になればと言う想いからだ。



 術式内で動けるのであれば。俺がいる場合に限るが、それだけで有利に戦闘を離脱しやすい。計算なんかは知っていて損になる物でも無いから教えている。他にも色々教えたいのだが。何処までやって良いのか、他への影響を考えるとこれが中々に難しい。



 そういえば最近は妙にスキンシップが多い。残念ながらベットに潜り込んで来たり抱きついてくるのは妖精で慣れている。コボルト(見た目が子犬)と一緒にされたとバレれば怒りそうだと、含み笑いをしているのは内緒だ。



 精一杯背伸びして慕ってくれているのであろう。俺は微笑ましく見守るとする。しかし、一時はお預けになりそうだ。



 村長からの呼び出し。偵察から戻ってきてすぐにだ。穏やかではないだろう。



 最近は十二分に休みが取れた。今までの傾向からするとどうせ碌でもないことが待ってるはずだ。聞くだけ聞くとしよう。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る