第283話口は困惑の元

 今俺は居住区の作成及び役所やギルド支部など施設の作成を行っている。今更だが俺自身かなりチート臭い性能なのだと今更思い出してきた。モブまっしぐらだった初期が懐かしい。



 建物がまるで箱庭ゲームの様に簡単に出来てしまう。さてこの地域を開拓して分かった事は。周囲30キロ程だが一切雲が発生しない。雨も降るのにだ。この辺はまさにファンタジー世界だなと思う。



 まあそんな立地なのだ。そこで俺はある風景を思い出した。元の世界のスペインにある海岸沿いの美しい町だ。建物は白く海と空は澄んだ青。まさにここでやれとでも言われた気がしたので建築中である。知識補助のお陰で建築技術も再現可能。本来の物より性能や耐久性は上の出来上がりだと自負している。



 汚れ対策も十二分にしているしメンテナンスも簡単に出来ると思う。



 それから数ヶ月はいつも通りの生活だ。たまに楽園に行きそれ以外は魔物を倒しSPを集め、修練でも組み手でボロボロにされ、歌い、物づくりにせいを出す。道が出来上がるまではこんな日常が続くのだと思ってたんだがな。



 修練が終わり俺は木に寄りかかり汗を拭く。



「久しいなダイス」



 振り返るとそこには懐かしい顔があった。俺がこの世界で始めて会った男であり、イケメンエルフのリュートである。




「久しぶりだなリュート。悪いが口調はコレで行かせてもらうぞ。こっちが素なんでな」




「気にしないさ。お前は時々そうだったからな。さて何故俺が来たかわかるか?」




 考えて見るが思いつかない。あえて言うならここもエルフの集落と言う事くらいだろう。



「エルフは大陸を越えて繫がりがあるのか?」



「ここのエルフとは一切係わり合いが無い。この前の手紙の件だ」



「会って話がしたいだったか?シロップの件もある。今年中にはそちらに向かうつもりだったぞ?」




「それか。それはそれでいい。村長からの伝言だ。幼子と言えど約束は約束だ。孫の顔を見るのを楽しみにまっているだそうだ」




「は?」



「まぁそうなるだろうな普通は。私でもそう反応するだろう。だが、お前は約束してしまった。そして、お嬢様は大きくなられた。そして、願いも変わらない。観念するのだな」




 まてまてまて。過去の俺なんて言った? ・・・ああ、あれか。てかあれは子供を諭す大人の対応だろうが。



「まさか来ているのか?」



「勿論だ。お前がこう反応するのは当然だが、それを見たお嬢様は心を痛める。だから私だけで先行してきたのだ」



 本当こいつは忠臣キャラだよな?いやマンガとかなら執事とかでもこんな奴いそう。




 どうするよ俺?

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