第267話彼女の受難
とにかく彼には目を覚ましてもらう必要があります。神に嫌われるとか可能性があるだけでも勘弁して欲しいので。
最近こちらに出来たギルドから非常に質の良いポーションが存在するという情報を入手したので駄目元で行って、ダメでした。
とりあえずお仕事の吟遊詩人として歌って、その日のお仕事を終え。帰り道、不意に声を掛けられました。偶然にも彼と戦った場所です。
「おねぇさん。弟子が随分とお世話になったみたいだね」
可愛らしい中性的な子供。10歳程度でしょうか?この圧力にも似たマナさえなければほのぼのとした空間なのに。残念です。
「お弟子さん?それよりぼうや、もう日も暮れますから早くお家へ帰りなさい」
「うん、わかった。雑事を終えたら帰るね」
私は凄まじい殺気に気付いた。あれはマズイ者だ。子供はお札の様な物をこちらに放り投げた。
素早くこちらに飛んで来るが見ていればどうと言う事はないんですよと。
そう思ってた時期が私にもありました。札は回避され地面へと落ちました。しかし、地面はすぐさま溶解しその後まるで弾丸のように弾けました。
威力が私が知る魔術は桁が違う何かでした。風、水、障壁この全てを使いなんとか弾け飛んだ一部を防ぎきりました。
弾け飛び地に落ちた溶岩弾とも言うべき塊は地に落ち、更に地を溶かし、また弾ける。さっきから魔術の妨害、相殺。あらゆる手を試していますが、あの子供の前では全てが児戯と言わんばかりにあしらわれます。
「お姉さん火遊びは感心しないなぁ。こんな危ない事は止めてお姉さんとお話ししませんか?なんなら歌だって歌いますよ」
正直白旗物です。
「いいよ、じゃあまずはダイス君は何処にいるのかな?状況は?答えないなら一帯を灰燼に化してでもお姉さんが消えるまで続けるよ」
これは正直話すしかないですよね。生殺与奪は完全にあの子供が握ってますし。誠心誠意話すとしましょうか。
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