第260話休息はお預け

 枝を植える。畑の脇にだがここなら間違いなく日当たりが良い。



 仕入れと配給は問題なし。貸借対照表に書き込みながらあれこれ考える。ああ、エクセルが欲しい・・・いやPCだな。作りたいのは山々だが、そちら方面にはどうにも補正が働き辛い。プログラム等の技術はどうにも上手くいかない。世界の違いの問題・・・拒絶に似た違和感がある。



 思考に物を言わせてごり押しすれば出来るのだろうが。まだ足らない。逆に魔術式としてのプログラムは気持ち良い程受け付けてくれる。



 自動書記でも作るのもありだな。




 どうせ3日は暇なのだ。その辺に没頭するのもまた一興。と思ったそばから念話符に反応がある。相手はルイだ。



(どうした?件の条約は上手く行ったんだろう?)



(そっちは問題ないよ。問題は元教国の反対側の敵対地の隣接してる防衛線だよ)



(そんなやばいのか?)



(全くかなり厄介だよ。敵は多分君と同じくらいにここに来た異界人かあるいは物凄く我慢強く準備を重ねた変人。お陰様で肩の風通しが良いったらありゃしない)



 ルイが遅れを取った?



(敵の勢力の詳しい能力、武装は?)



(敵はゴーレム、アンデットのスケルトンとゾンビ。指揮官にリッチらしきのも確認できている。更に人狼、3尾の狐の獣人。最後に魔神を名乗る異界人)



(武装はね君と同じ銃器、しかも性能は魔術効率の関係上かなり高い。ダイス君と同等と思って良いしかも全ての兵が装備している)



(俺が殺る。そいつら全て)



 冗談じゃない。俺が配慮した事全て無に帰す気か?この世界にはまだ早い。一方的な戦争は出来るだろう。だがな、確実に何丁かは鹵獲されその技術は漏れる。その後起こる事は想像に難く無い。



(今そちらに行く。出来れば敵の本拠地の場所かその魔神とやらの場所を知りたい)



(それに関しては問題ないよ。既に把握している。その過程で痛手はあったけどね)




 俺はすぐに転移符を手に取り起動した。確かな殺意をその目に宿し。


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