第261話敵は・・・
着いた先は屍山血河、その言葉が一番しっくりくるだろう。だが、それでもこの砦は落ちていない。ルイのおかげだ。
「待っていたよ。今回ばかりはきつい」
守りは出来ても敵を追い払えないから。狙撃による屍だけが増えていく状況らしい。頭に風穴を空けられた死体がその異常性を物語っている。
「あんたじゃどうにもならないのか?」
「今だって頭を出せば花が咲くんじゃないかな?出来る事は外に向かって範囲魔術を放り込むくらいさ」
「どのくらい持つ?」
「あんまり持たないね。だからこそ君にはまずここに来て貰った。砦の作りの変更ね」
そういって渡されたのは拙い設計図。簡単に言うなら狙撃されない様に登ってくる敵を撃退する仕様だ。適切な隙間を斜めに入れてそこから油なり流すのだそうだ。
俺の出来る事なのでサクサク終わらせる。
「これである程度は大丈夫。それじゃ敵の本拠地近くまで行こうか。
平原のど真ん中に城が見える。真っ黒で拗らせた14歳的な禍々しさを感じる。
「こっちは防衛に戻るから後は頼んだよ。どうにも相性が悪くてね」
それだけ言うとルイは下の場所に戻ったようだ。同時に補足されてるらしい。堂々と正面から獣人らしき女がこちらに向かってくる。
俺は何時でも起動できるように脳内に歌を響かせる。これが起動準備としては最短で起動できる。
獣人は俺の前に立つと頭を下げ。
「空の覇者殿。父がお待ちです、どうぞお城へ」
覇者とかはどうでも良い。今こいつ。空のと言ったな? 俺は頷くとついて行く事にする。
城の中はこれまた悪趣味。まず入り口が長い300メートルは距離がある。尚且つ狭い。途中にはガトリングガンを持ったオートマタ。コンセプトは理解したが、内装と如何にも魔王城ですよ的な演出が感に触る。
絶対ここの異界人はある種の病気の奴だ。魔神とかね?自称で言っちゃう辺り、みなまでは言うまい。
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