第231話屈辱って・・・

 今の現象について考察をしたい所であるがこの女の処分が先だろう。最早決着は付いた。前回は俺が封じられ今回は俺が封じた。ただこれだけの事である。



「動けない。何をしたの、卑怯者」



「卑怯者とは酷い言い草ですね。お前も俺にしただろう?それの上位互換だ。では早速死んでもらおう」



「殺すなら何故あの時殺さないのよ。あれほどの屈辱無いわ」



 必至に立ち上がろうとするが、まぁ無理だろうよ。俺が歩くのにどれだけ掛かったと思ってるんだ。



「残念ながらその問いの答えは持ち合わせていない。手向けに教えてやりたいのは山々ではあるがな。貴様らの神にでも祈るが良い。尤も嫌われてるようだが」



 いつもの様にただ作業の様にその首に刃を下した。足元には赤く染まった美しい女性。今までを振り返っても本当に俺は悪役してるな。RPGで言う所のプレイヤーに一番嫌われるタイプの敵だ。



 自覚してるとも俺には皆が思う正義なんて無い。我を通してるだけだ。人を殺すと気が滅入る、ある意味まだ正気なのかもしれない。だが、この世界では余り良い物ではない気がした。





 それから俺は施設がある町に入った。それも堂々とだ。俺が知れ渡っていれば、すぐに分かる。人間平然を早々取り繕える物ではない。特にこんな辺境の下っ端共なら尚の事だ。



 結果、俺は報告されなかったという事だろう。対応が普通すぎる、あくまで一商人の扱いだ。その日宿を取って一泊したが襲撃も監視も無い。




 屈辱って何をしたんだ?まさか・・・いやいやあの人は三大欲求を失ってるはずだ、しかし、体は俺だし。ないない。



 一人不毛な事を考えるダイスであった。




 一旦その思考を追いやり、当初の目的を実行する。例の物を仕掛ける。ダイスがやってきたことは基本的にこれである。



 兵士の士気もやる気も低い。あのイレギュラーを除けば一番楽だった。



 こうして、前よりペースは落ちたが確実に、そして的確に敵の急所をつく位置設置を進めていく。

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