第230話リベンジ

 大体の準備は終わった。じゃあ何をやるか?そう、敵の排除だ。あの状況で俺の顔を完全に見ていたとは思えないが、背丈や体格は少なくても知れ渡っている可能性がある。この世界の情報伝達速度は魔術に依存する為、まだ多くに知られてない可能性もある。



 ならば目撃者を消すと言うのは当然だ。まだあの場所にいれば良いが、一先ず一番近い転移場所に飛ぶとしよう。



 わざと教会に入り、祈りを捧げるポーズを取り、お布施までしてみるが。牧師の反応におかしな点は無い。これは案外間に合ったかもしれない。少なくても一つとなりの町ではお尋ね者と言うわけでは無さそうだ。



 その後飲食店に入り、噂話を聞き込むも平和な物で特に何も無い。




 早々に町を出て。例の場所へと向かう。数百メートル離れた場所からスコープ越しに施設を数時間探すと奴はまだいた。



 これは好都合。このまま狙撃させていただこう。それから構える事4時間。ようやくチャンスが来た。こう言うときに非常に心強いスキルがある。数の理だ。当然自身の狙撃能力の底上げはするが、これの凄い所は全てを数値として捕らえる事だ。



 風や重力に到るまでも全てである。何が言いたいかといえば。狙撃の精度をこの上なく上昇させてくれる。




 そして俺は引き金を引く。




 しかし、あろう事かあの女。弾丸を打ち払いやがった。正しくは奴の手前で弾速が目に見える程度に落ちたのだ。スキルの類だろう。いくら計算が出来ても、認識していない物を計算式に入れる事は出来ない。



 銃声は十分すぎるくらいにした。当然あの女はこちらに凄い速さで来る。



 ならば今回は更に先手を頂こう。この前のようには行かないって所を見せてやる。俺は開けた場所まで逃げると、止まり彼の魔術を行使する。最近これに頼りきりな気がするが、この類の化物と対峙する時はこれが一番だろう。



 設定範囲は20メートル。これは実験でもある。高速でこの領域に侵入した場合どうなるかだ。普通に考えればバイクでの事故のような光景になる。しかし、実際はこうだ。



 あの女が侵入したと同時に減速。それから足がもつれたように倒れこむ。魔術由来の速度ですら許さないのだろう。



 さぁてお礼と行こうか。

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