第232話次の段階へ
9割は終えた。しかし、1割は本当に重要な施設なのだろう。まともに入れる気がしない。ここいらでルイと相談すべきだろう。飢餓に突き落とすだけなら十分すぎる仕掛けだ。
分かってはいるが、今回は前回とは規模も目的も違う。前回は民は助けた。奪った物を返しただけなのでっ少し表現が違うかもしれないが。今回は奪うだけだ。
多分この国は侵攻して小競り合いではなく戦争になるだろう。それに加勢して教国を叩く。屍山血河を生み出す事は確定だ。欠片に見た彼の財と力があれば、死者を三桁いや四桁は減らせるだろう。
無い物ねだりをしても意味はない。くだらないと切り捨て、念話符を起動する。
「ルイ、聞こえるか。9割の設置を完了した。残りは難しいと判断した。食料系の場所だけで言えばほぼ全て抑えた」
「流石だね。起動はもう少し先だよ。まずは辺境伯及びその国の王にある程度の連携と備えを急いでやってもらわなくてはならないね。今回は顔つなぎだけお願いするよ。細かい所はこっちに任せて、ダイス君はその間商人として仕事をすれば良い。得意だろう?」
「了解した。顔つなぎできるだけ早く出来るようにするが。相手は一国の王だ。どこぞのやたらと腰の低いのとは違うから時間は掛かる。それは理解してくれ」
案外上手くいくような気がしなくもないが。こればかりはやってみないと分からない。
「それで良いよ。いつでもいける様にしてるから準備が出来たらまた連絡してくれると助かるよ」
符を使い終え。転移符を起動する。場所はリシャー商会のある町。
すんなり、歓迎され。いつもの様に執務室に通される。さぁここからが本題だ。
やるべき事は、相手にメリットを提示して王の元へルイを連れて行くお膳立てをする事。伯爵経由で王に多分最短だがその前にこの商会を挟むのが無難であろう。
元々交流に興味があったのだ。伯爵までのアポはすぐに取れるそうだ。またあの伯爵と会うとなると気が重いが、やるしかない。
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