第216話ライター?

 俺は報酬の一部を受け取った。それは、妖精のいるであろう場所の情報だ。場所は辺境伯の領から砦を越えた敵地の森だという。



 それから交互に使者を出してはどうかと言う話になったが。俺はあくまでも相手はギルドであって国ではないという事を伝えた。国くらいの権力はありそうだがな。



 それから王に小さな鉄の塊を渡された。蓋を開けると小さな火が出た。ライターのようなもんだろう。残念ながら鉄の加工レベルが低いせいでいちいち蓋を開けなければならないが十分凄いモノだろうう。



 当然ながらエンブレムがそこにはあった。俺の扱いは随分と丁寧らしい。どこぞの異界人達にも見習って欲しい物だ。



 それから王は護衛と共に帰り。俺は伯爵と共に屋敷に戻る事になった。その時当然奴隷の二人を連れて行く訳だが。リーシャさんが凄く悲しそうにしていたので「俺の屋敷に来てくれれば二人からエステを受けれますよ。そこまでの距離ではありません。宣伝の件もありますし、是非おいで下さい」




 結局上機嫌で「またお会いしましょう」だと。そんなもんだよな。




 伯爵や奴隷、俺も含む10人と少ない人数だが襲撃は以外に少なかった。何でも掃除をしたからゴミはすくないそうな。こまめにやって欲しい物だ。




「そういえば聞いてなかったんだが伯爵」



「なんだい?僕と君の仲だ。何でも聞くと良い」



 どんな仲だよ気色悪い。俺が乙女ゲーのキャラであればイケメンが相手だから喜ぶ所だろうが。俺は男だ。その手の趣味は無い。腐った御婦人方も俺が残念だから需要がないしな。要するに誰も得をしないという事だ。



「あの屋敷。改装はしていいのか?もし可能なら大々的にやろうと思うのだが。それと信頼が出来る使用人が欲しい給金は他と同様で雇えないだろうか」




「いいね。何か面白い事をやってくれそうだ。その奴隷達もその一環だろ?使用人の事は僕に任せてくれて良いよ。改装は好きにすると良い。代わりに最初のお客さん僕で良いだろうか?」



「勿論。それと客としてきた後でいいから少し後ろ盾、違うな。少し助力が欲しい」



「助力内容だけでも聞けないかな?」



「使用人達はこれから多くの権力者を相手にするだろう。その中にマッサージも含まれる。女性以外にも適応される訳だが。この手のサービスは違うサービスと勘違いして、碌でもないことをしようとする輩が稀に出るかもしれない」



「成る程ね。良いよ、僕が後ろ盾になればそうはなり難いだろうね。しかし、君は意外に考えてるんだね。普通はそんな事を僕に頼む奴はいないよ?」



「現場の責任者ってのは如何に従業員に快適に仕事をさせるかが鍵だと思ってるんだ。無論客へのサービスや商品の質もいるけどな。この職場を守りたいくらい思える所なら理想だろうよ」



「なんだか騎士の忠誠の話のようだね」



 そんな他愛も無い話をしながら街を目指す。

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