第210話提案
「野営中が一番危ない?」
「そうです。今夜は満月。ギルドに居れば間違いなく他を巻き込んだ。だからこうして、周りに被害が無いここで野営をして待ち構える事にしたのです」
それって単騎で、じゃ無くても少数精鋭で突っ込んでくる事を確信してるよな?なにそれ怖い。
だが都合が良い。そういう奴の対処は得意だ。
「そのアルトって奴のが問題なんだよな?」
「そうだね。慢心してこの前の様に月夜以外で来てくれれば良いですが。私が撃退した以上、それは無いと思って良いです」
同等の力がある奴がいるのに、数で劣るとか話しにもならないからな。地の利があるなら少数でも妥協できるがそれは此処には無い。一面の草原、まさに合戦場と言った感じだ。
「そいつと一騎打ちできねぇか?」
「勝算が?」
「お前の前に居るのはギルド創設者の子孫そのくらい出来ても不思議はないだろう?」
「その鎧は確かに素晴しい物です。ですが修復と回復機能は使用者の魔力で行うものです。一応補助で周囲のマナを集めて使ってはいますが。効果は大きくありません。無茶すれば魔力を全て吸われて行動不能に陥りますよ」
それに関しては問題ない。例え魔力を全て無くなったとしても俺は動ける。
「それで可能か?」
「可能ですよ。しかし、貴方に死なれては元も子もありません。勝算が無いなら却下です」
「勝ち筋は幾つか思い浮かぶ。ほぼ負けは無い。それでも勝てないようならルイに頼れ。あれで無理なら負けだろうよ」
「あの方はそれほどに?」
「俺の体術と魔術の大半は彼から教わった物だ。技量は向こうが遥かに上さ」
勝ち筋なんか領域に引きずり込む以外無いからな。それ以外だったら、能力を全て下げてようやく不利くらいだろうか?
「それほどとは。でも、良いでしょう。その一騎打ち手配しましょう。実は手配も簡単ですし。なに、一緒に少し皆から離れた場所にいれば問題ありません。敵の目的は主戦力と指揮官の撃破。私とダイス君はそれに当たります」
それは僥倖。自身が餌として機能する訳だ。同時に罠なんだがな。
「了解。奴と戦闘が始まったら総長は退避して欲しい。俺の策は味方も巻き込むからな。なに数百メートル離れれば問題ない」
「追加報酬は期待してくれて良いですよ。なんなら私の役職も差し上げますが?」
「それは報酬ではなく。罰だろ?いらん。面倒は出来るだけ抱えたくないからな」
「十分すぎる程に抱えているのでは?」
言われて見ればそうだな。今回も関わらなくても良いといえばそうだ。それが出来る性格であれば楽なんだがね。
「そろそろ日が落ち月がでます。移動を開始しましょう」
返事を返し移動する。
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