第203話奴隷
話は奴隷商人の話に戻る。要するにだ俺は次の商売の種にエステを美を売る事にしたのだ。俺が女性に触るのは論外だ。なら他に任せるのが道理。ある程度制約を持たせられる奴隷を選択したのは技術を与えるからである。
奴隷商人にナイフを渡すと目を丸くして「お客様もお人が悪い。伯爵様の関係者ならもっと簡単に物事が進みましたのに」
さてここの奴隷は他の奴隷とは違う所がある。それは国が公認である事。そしてなにより奴隷というより職業斡旋所に近いという点だ。
ここの奴隷は大半が借金奴隷と言われ。借金の変わりに自身を自由を一時売り渡すと言う物だ。これだけだと酷い制度に思えるが、結構良く出来ている。まず女性を保護するルール。要するに性的な事の強要の禁止。
長時間労働の禁止。衣食住の保障。週一度の休暇。規定以上の給与の支給。奴隷はこれを持って自分を買い戻す権利がある。
あれ?日本の一般社員より待遇よくないか?
「ダイス様の条件で見合う者はこちらになります」
二名の女性が部屋に呼ばれる。普通の女性にしては体が引き締まっている。鍛えているってことだろう。
「可能なら奴隷になった経緯と今までの経歴を教えて頂きたい。それと先ほども言ったが、俺に触られることになる。それを受け入れる事は可能かどうかだ」
「私はマインこっちはリゼ。私達の体を見て事に及ぼうとする奴がいるか分からないが。少なくても私は構わないぜ。アンタは良い男だしな。触るのはアンタだけなんだろう?」
「すまないがこの奴隷達だけと話しがしたい。商売にも関連する事だ。頼めるかな?」
「大丈夫ですとも面談でそうする貴族様も少なくありません」そういって奴隷商人は部屋を出た。
「そうだ。別にそういう事がしたいから欲してる訳ではない。お前はマッサージと言う物を知っているか?凝った肩なんかを揉んで凝りを和らげるのもその一種だな」
「それならなんとなく理解できるぜ。リゼ」
「うん。それならわかる。痛いところを揉むと少し和らぐ」
「もしお前達を買ったら、二人を俺がマッサージする。それを見てお前達に覚えて欲しい。これが俺がお前達にするし、させる事だ。今度はお前達の経緯を聞こうか?」
「なに何処にでもある事さ。冒険者が下手打って大怪我。相方が自分まで売って大怪我の相方を助けた、それだけさ」
「犯罪経歴は無いし。した事も無いという認識で良いな?」
「そこまで落ちぶれちゃいないよ。所で聞いて良いか?アンタはそのマッサージってのが出来るんだろ?何故私達を買ってまでそれをさせるんだい?どうにも解せないね」
マインの表情が険しくなる。リゼも警戒しているようだ。
「俺が出来ても意味がねぇからだ。こいつは商売として、美を求める女性に対するサービスだそれの対価に金を貰う。その過程で半裸もしくは全裸になる必要が出る時もある訳だ。相手は多分貴族や商人等金に余裕がある奴になる。俺がやる訳にはいかないだろう?」
「儲かるのかい?」
「じゃ無ければお前達を買うとでも?」
「そりゃそうだ。よろしくな御主人様よ」
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