第185話スキルが便利なだけとは限らない
今日こそはと誓いはしたがどうにも調子が良くない。ふらつくというか体を動かしにくいというか。こう言う時に名医もはだしで逃げ出す完璧な診断をしてくれるのが、鑑定先生である。
ダイス、状態・・・精神汚染同調形(軽度)
ん?・・・どういう事?詳しくお願いしますよ先生。更に細かく指定して鑑定を使う。
他人の意識と同調し、疑似体験した弊害。第三者視点としての追体験であるため軽度であるが。感覚共有の本人視点の場合は重症(多重人格症)に陥りやすい。
怖っ多重人格とか恐ろしい。じゃあ軽度ってどんなもんよ。
だるさ、身体機能への反応の鈍さを感じる。1~2日もすれば基本的には解消する。
もう少し休めって事ね。得た物を考えればこのくらいは安い。前回は眠ってる間に治ったのであろう。そうと決まればもう一眠りするか。
「それはどうしても会う必要があるのですか?お貴族様」
「もう私は冠を有してはおりません。一冒険者ですわ。ダイス様とはどうしてももう一度お話しがしたいのです。私が信用なら無いなら同席されても結構です、総長の実力なら私如きを捻るのは容易いでしょう?」
「それは後ろの見覚えのある少女も関係があるのでしょうか?」
「そうですね、この子の為に可能性がある人に話を伺う、それだけですわ。彼がダメなら次は貴方を頼るかもしれません」
「確かに害は・・・まぁそこは良いでしょう。依頼という事であれば吝かではありません。彼に話しをしてみましょう。ただし、彼は中々連絡が取れません。少し時間を頂きます。そうですね。その間普通の宿では色々問題があるでしょう。ただとは行きませんが、ギルドの一室をお貸ししますよ」
「御気使い感謝します」
(前王の忘れ形見ですか。つくづく面倒に愛されてますねダイスさんは)
ダイスのスキルは着々と面倒を量産しようとしていた。
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