第170話契約破り
王に、掃討の報告とゴーレムの残骸は好きにしろとだけ伝えて、その場から離れた。ここばかりに最近は時間を取られがちだが、ドラゴンの頼みでなければ正直そこまで肩入れしなくても良いと思っている。今回のはアフターケアに近い何かだ。
さてと、ギルドから酒を買い集めるとするか。まずは総長に話をする必要があるな。
その頃ダイスにギアスで縛られ、城から一歩も出ることが出来ない女は歓喜と狂気に打ち震えていた。解けたのだ。無論ギアスがである。ギアスに触れないように、隙間を縫いながら。優秀な契約術者を国内外から集め、ようやくこの呪縛から解放されたのだ。
これであの男を殺せる。そう思うと嬉しくて仕方ない。それに王もこれで動けるし、何より剣領主殿を解放できる。
ダイス、あの男だけは確実に殺す、王も領主どのも汚い手段で縛りのうのうと自由を謳歌する。そんな事この世界で許される訳がない。拷問して全てを聞き出したら・・・考えるだけでも楽しくなってきたわ。
ギルドにて男は嫌な報告を聞いていた。「娘が王城に雇われただって?」ガウェインは嫌な予感がしてならない。
「密偵からの報告です、間違いありません。それにお嬢さんの配属先ですが・・・」
「良い、最悪僕が方を付けよう。妻にも話す必要がある」
「では、お嬢さんは、ダイスさんの討伐部隊に配属されました。ギアスが解除された物と思われます。同時にこの地の領主も城へ向いました。多分同じ事になるかと。最後にダイスさんですが。国家反逆罪で数日中には指名手配されるでしょう。既にそう言う動きがあるようです」
「ギルド職員格員に通達しろ。冒険者ギルドは総長の連絡が付き次第この国を撤退する。総長にはもう連絡はとどいているのだろう?」
「予測ですが明日の朝までには返事が来ると予想されます。王家としてはこちらに気取られたくないようで、かなり慎重なようです」
「今すぐ冒険者達に、国外へ出る護衛系、あるいは運搬系の依頼を出してください。最小限を残してギルドも空に近い状態にします」
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