第167話残党の影
「どう言う事だ?我が軍が破れ。挙句に教国を取られただと?」
神経質そうな男は苛立ちを隠そうともせずわめき散らす。
「巨壁への派兵は一切突破できず、謎の長距離攻撃によって指揮官及び上級兵は死亡。軍が瓦解した所をドラゴンに焼き討ちされた形で第1から5軍までは壊滅。他の軍は撤退、その後巨壁の軍及び戦奴隷による追撃部隊と教国を落とした反乱軍による挟撃でほぼ討ち取られました」
「この絵を描いた者がいると言う事か。忌々しい、だが巨壁さえ落とせば何とかなる。今の魔石の貯蔵での稼動はどのくらいだ?」
「全150機を投入した場合10日程度だと思われます」
男は満足そうに「十分だ、ただ壁がある国なぞこいつらで蹂躙できる」
「お急ぎ下さい、ここが露見するのも時間の問題でしょう。敵が敵です」
「いいだろう。さぁ、蹂躙の時間と行こうじゃないか」
男の後ろにある5mはあるだろう岩の人形を見ながら男は喚く、目には狂気を宿しながら。
(へぇ思った以上の大きさだね。どう崩そうか?)
(ルイ、あんた完全に革命家とかやばい奴だよな?)
(ダイス、なんて酷い事を言うんだい君は。平和を愛する一般市民に言って良い事ではないよ)
(この世全ての一般市民の皆さんに謝れ。とにかく、勢力図は大雑把にだが伝えたぞ。次は勢力圏まで行こうと思う)
(頼むよ。こっちで何かあればいの一番に知らせるさ。戻ってくる時にお土産を頼むよ)
(気が向いたらな)
符を仕掛けながら回るしかないな。この大陸の拠点はここでいいか。大陸を結ぶ符を仕掛ける訳にもいいかないし。今の所、見つかる事はないが。使える者がでたら洒落にならない。
とりあえず、ここに仕掛けたら一度帰ろう。良い仕事をするには、良い睡眠を取る事だ。我が領地でなら安心して寝れる。
ダイスはゆっくりこの仕事を進めるつもりだが、そこはダイス。そうは問屋が卸さない。また面倒ごとはすぐそこまで迫っている。
彼の休日はやってくるのだろうか?
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