第166話情報収集

 上手く行った。しかし、不安はある。上手く行き過ぎるのも良くないのだ。理想は莫大ではないが利益が出ると思わせる程度。反応が少し良すぎる。


「銀貨4枚半で構いません。代わりに情勢を教えて頂けないでしょうか?土地柄、支配者の特徴。危険度、風習。等々、行商をするのであれば必要なのです」



「ああ、分かるともダイス。私も元は行商人。今ではここまで来たが、その価値と必要性はわかるとも」



 遠くを見るような目をしている。さぞ苦労があったのだろう。



「では、取引終了時に情報を頂くと言う事で」



「ああ、いいとも。ガル、地図をもってきくれ」



「あいよ」ガルは素早く外へ行ってしまった。


「では今売れる本数が何本なのか聞きたいのだが」



 現在あるのは800壷。どのくらいが妥当だろうか。



「400壷ですね」



「ガルが戻ったら、代金を取りに行かせましょう。ではこちらの治安等から話しましょう」



 結果治安は向こうもこちらも大差ない。問題なのは教会の勢力図だ。完全な教国は本国の1つ広さはこの大陸の2割程。かなりの大国である。しかも、この大陸の7割強の国に教会があり、影響力もある。当然各国がそれを持ちすぎるのを良しとする訳も無く、水面下のやり取りが多いらしい。



 本国はここから馬車で20日程度の位置だそうだ。


 それから夕方まで話。今度も是非売ってほしいと言葉を受け、別れた。



 教会の勢力は思った以上にでかい。これは骨が折れそうだ。とりあえずルイに連絡を取るとしよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る