第158話嫌な指摘
視界を埋め尽くさんばかりの花畑。これが自生してるというのだから驚きだ。今何をしてるかって?お子様師匠を待ってる。
転移だからさほど待つ必要は無いと思っていたのだが。かれこれ3日あれから待っている。妖精達と戯れて退屈はしないがいい加減遅い。連絡はできるのだから問題は無いはずなのだが。
(ついたよ。今何処だい?)
(随分と早い到着な事で。もう少し遅かったらレイナさんの所に件の事を聞きに行ってましたよ?)
(それは本当に申し訳ない。それだけは勘弁してください。イメージは大切にしたいんだ。それより、最初に来た転移位置で待ってるよ)
切りやがった。お前が来いよ・・・イメージってやはり中は歳相応のじじいの様だな。
さほど距離もないしすぐ着いた。ルイが手を振っている。
「待たせてしまったかな?」
「俺も暇な訳じゃ無い。今回の戦争は半分が茶番だった訳だがその理由と何処までアンタが関わっていたかを聞こうじゃないか?」
「まぁまぁ。そう怒らないで。ちゃんと説明するからさ」
ルイからは色々聞いた。元々教国の力を削ぎたいと思ってたこと。その過程で枢機卿である彼にであった事。そして彼自身もこの宗教をどうにかしないとならないと利害が一致した事。
そしてなにより俺が巨壁の王と関わりがあった事。全てが噛み合った結果だという事だ。元々この大陸でこの宗教が教国を持つきっかけとなった経緯は。あのおっさんの一族が啓示を聞き取る力があり、それに民が信頼が厚い事が原因だ。要はあのおっさんの一族は利用されたのだ。
殺さなくて良かったのかもしれないな。
「そう言えばダイス、大丈夫か?今はスキルを隠蔽してるようだが。仮にも聖女を殺したんだ。何かしら付いてるんじゃないかい?似たような経緯で付いた事があるから、ダイスも確認したほうが良いよ」
ああ、そういえば付いたな。勇者(笑)を殺した時にも付いた。聖女と英雄。この世界の概念というかソールイータ的な構造からして、嫌な予感しかしない。
「その顔は覚えがあるって感じだね」
「昔ロリコン人攫いの勇者(笑)を処分した時に少しな」
「勇者に聖女に英雄に・・・凄いねダイス。君は魔王にでもなりたいのかい?」
「それならアンタは魔王の師匠だ。裏ボスだな、おめでとう」
ルイの顔がひきつる。
「まぁそれもいいさ。でも確認はしといた方が良い。字面がすこぶる悪いから、隠蔽の精度は上げたほうがいいね」
それから少し会話をしてルイは帰って行った。鑑定を自分に使うのが怖くなるとは夢にも思わなかった。現実逃避した所で仕方ないからやるがな。
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