第156話墓守に
(聖女とやらは始末した。あとおっさんとガキを貰っていくぞ。それと後で説明してもらうからな)
(あらら、ご機嫌斜めだね。良いよ、その命は好きにすると良い。戦死した事にするから。こちらも元凶にそろそろ手が届く。詳しくはそうだね。君の楽園で話すとしようか。先に行って待っててくれるかい?)
(了解した)
念話符を切ると移転符を取り出し、転移した。3人で。
転移先はアークの墓前。
「さてじいさん。俺はお前の命を確かに貰った。どう使おうと異論はないよな?そのガキは生かすのだから」
「覚悟は出来ている。好きにしてくれて構わん」
子供はじいさんの足元に隠れている。まあ目の前で人を殺したのだ。当然の反応である。
「じゃあお前はこれから、そのガキの面倒を見ながら、墓守をしてもらう。衣食住は面倒をみよう」
「分かった。が、それで良いのか?我への恨みは深かろう」
「殺して貰えるとでも思ったか? その墓地にはある英雄が眠っている。自国を家族を友をただ守る為に力を奮い、邪教に破れ辱めを受け壊れてしまった英雄だ」
「名前はアーク。お前の邪教の被害者の一人だ。お前はここで償うが良い」
後で小屋でも建てるか。物資は妖精の分と一緒に持ってくれば良い。後はこの子供か。妖精達にも報告しなければならないし。一度行くか。
食料、生活用品。テント等を取り出し。
「これはくれてやる。これだけ与えられて生活が出来ないとは言うまいな?」
「問題ない。感謝する」
次は妖精だ。
「人間が住み着くですって?」
「高々2人だ。それに爺さんとガキ。お前が心配するような事はおきねぇよ」
「それなら良いのだわ。それより、最近食料を置いて直に帰りすぎじゃない?」
精霊少女は妙に責める様に俺に言う。
「何か問題が?俺は約束を違えた覚えは無いぞ。それに人間なんてあまり見て気分が良い物ではないだろうに」
「貴方に限っては別よ。あの子達が寂しがってるわ。たまには構ってあげなさい」
モフモフするだけなら大歓迎なのだが。如何せん時間が無かった。
「そろそろ忙しい時期も脱する。食料の補充が済んだらしばらくはここに居るとしよう」
その日は夜まで、妖精達の相手をした。モフモフ天国だ。実に癒される。ある程度買い付けが終わったらこちらにいても良いかもしれないな。
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