第146話英雄ってなんか違う気がする
まだ暗い中俺は城に向かった。朝になればパニックは確実。その前に知らせるのが筋だろう。やる前に言うのが正しいのだが。やってしまった事はしょうがない。
門兵が俺を見ると急いで中へ向かった。他の門兵はこちらに来て。
「このような時間にどのような御用でしょうか?なにか急ぎの用でも?」
「急いだほうが良い、吉報ではあるが。騒ぎにはなるだろう。なるべく早くお伝えすべきだと思ってな」
ぞろぞろと人がこちらに走ってくる。通路には王の姿もある。兵士以外は寝起き感が凄まじい。悪い事をしたかもしれないが、文句ならルイにお願いしたい。
息を切らしながら、王は目の前まで来ると。
「何か急な用件かと思い飛び出してきました。事情をお伺いしたい」
「この国の荒地をかなり大々的に使えるようにした。正直やりすぎた。国にとっては間違いなく吉報ではあると思うが、民は間違いなく戸惑う。私一人ではそれを収拾出来ない。だからそれをお願いしに来た」
「詳しくお聞きしたい」
詳しく話した。この荒地ばかりの土地に川が出来、草原が出来、森が出来、麦畑ができた。地図を見せて場所を知らせていく。
信じられないと言わんばかりの表情を浮かべる一同だが。
「疑ってもしょうがない、朝になれば真相は分かるはずだ」
泉の件もある、結局は信じる事にして伝令を通達するため慌ただしく動き出した。
この日俺は救国の英雄となった。
どんな英雄だよ?城の人間しか関わりが無いけど、もう殆んど扱いは神なんですが。本当変装できてよかった。ダイスとして来ていたら恥ずかしくて外歩けない。
そして、王とはこの国の門を教国が落ち着くまで開けない事を約束させた。まぁルイが勝手に補強(二度と開かない)をしたので当然だが。今や門であった場所は門の形をした城壁である。
破城槌?意味がありませんな。
何故ルイがこんな事をしたかと言うとそろそろ阿鼻叫喚となるであろう教国の聖都の周囲と穀倉地帯であるその隣接部。挙句の果てには穀物庫に到るまで丸ごと奪っている。そうなればあの国は聖戦(略奪)をするはず、相手としてはこの国は狙いやすい。その準備はずっと前からしているのだから。
念のため爺さんにも伝えておくとしよう。
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