第138話雨の都
さぁやって参りました、雨の都・・・ではなく、その上流。川幅がやばい。日本ではまず見れないレベルだろう。では、本題に入るとしようか。
何をするか、簡単な事だ。ただ転移符を川の中の岩に貼り付けるだけだ。無論、水中の岩部分にだ。これでこの川の水は巨壁の国の枯れた泉へと流れる。水量は少ないがこれは数でカバーするしかない。
大量にやれなくは無いが、それをやると、川の流れや他に影響が出かねない、更に目立つ。それは避けたい。やろうと思えば、水底に貼って最大規模で起動だって出来る。そんな馬鹿な事はやらないが、物事加減が大事なのだ。
更に上流に向かいながら符を設置していく。設置が終わる頃には日が傾き出していた。全部で設置した数は16。一つの水量はバケツを2~3ひっくり返した程度の水量しか無いが、これだけあれば小さな滝くらいはあるのではなかろうか。あの泉が満ちるまでどのくらい掛かるかは分からないが、元々地下にあったはずの水が満ちるまでは地面に吸われ続けるだろう。
転移符と言うチートアイテム?魔術?が無ければ思いつきもしない。
そろそろ休みたい、こっちに来てからずっと雨に打たれている。
雨の都に行くとしよう。
着いた先は・・・水路、水路、水路ばかりの都市、しかも臭い。下水なんて概念はないのだろう。たまに臭くない水路がある。多分これは生活に使う水で他が排水を含む水路なのだろう。
この町を見て俺は素直に感心している事がある。それは、この町が綿密に計算されて作られている事がわかるからだ。町の位置は川の本流からは結構離れている。そして、この水路だが全て固い岩盤を削って出来ているようなきがする。
多分ではあるが、この町は完全に完成図を描いて、計画的に作り。水の流れる先を本流の下流に繋げて、そこまでしてようやく上流から水を引いたのであろう。
そこまでする必要性があったのかどうかはわからないが、そうじゃないとこの町の再現は無理であろう。莫大な労力と財力を労しただろうに。
とりあえず宿を見つけたい。これからは通常の仕事、巨壁の国に卸す商品の仕入れ、妖精達の為の仕入れ。泉の監視と川の監視。何とかやれるだろうが落ち着くまではまさに馬車馬のようにだろうな。
人を雇えたらどれだけ楽だろうか。
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