第127話どう見てもフラグです

 正直このじいさんを俺は気に入っている。なんとなくだがな、だから回答もしくは、ヒントでも与えてやりたい。



 まず当たり前の事を聞くとしよう。



「なあ、その国に理由を述べて記述を変えようぜ。それで上手く行くと思うのだが」


「我もそれは考えた。しかし、それをやると、かの国はこちらに助けを求める手段が無い」



「手段があれば良いのか?」



「あれば苦労なぞ無いわい」



「少し待て。解決できるかも知れない。それをして良いか許可を取る必要があるが」




 念話符を出し、ルイへと繋げる。




「ダイスか、どうした?」少し眠そうだが、出てくれた。今は昼過ぎなのだが・・・



「念話符を使わせたい奴がいるのだが。一組分だけで良いから渡しても構わないか? 無論対価は払う」



「へぇ君がね。今回は誰なんだい? ダイスが肩入れするなんてまず人間ではないね?」



 お見通しのようだ。



「半分正解だ。片方は人間、片方はドラゴンの長だ」




「成る程ね、事情は想像がついた。君の好きにすると良い。対価はお土産という事でよろしく」


 念話符を切やがった。こりゃ二度寝したな。



 爺さんがこちらを不安そうにみている。紙をもって独り言とか・・・見る分には狂気の沙汰だもんな。




「さて、これに魔力を少し流してみてください」俺は別の念話符を渡す。




 それからは長である爺さんの反応をある程度楽しんで、本題に入る。




「これは俺の術ではないので別に支払いが要りますが、許可は取れました。向こうの王にこれを渡せば解決ではないですか?」




 爺さんは心底楽しそうに笑い「お主は真に面白い。対価は確かに払おう。幸い先代達の頃に貯めに貯めた財宝がある。それと別にお主とも使える物が別途に欲しいが可能か?」



「毎度あり」



 その後、爺さんは部下のドラゴンを呼び、すぐに橋を落とさせた。無論念話符を王に渡す事も忘れない。



 こうして、この山の問題は解決された。しかし、念話符の向こう側、爺さんの表情を見るに面倒な事になりそうだ。



 巻き込まれない様にしないとな。

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