第126話相談(ドラゴン)

リフォーム? やった事あるわけ無いだろ。色々やっていたがそこまでは知らん。知らんが、知識はある。教養のお陰だろう。




 どんな風にしたいか聞いた結果、城の内部というより神殿に近い物だった。崇める神が俺が知るそれだったので、外側の斜面を練成師のスキルで変質させていく。壁彫りの神の出来上がりだ。30メートル近いでかさ、これにはシロも大喜び。




 内装はドラゴンを前面に押し出すとの事だったので、まずただの穴倉を壁と床に整え、大理石に似た石材で覆う、その後俺が知る限りのドラゴンの壁画をレリーフ状に彫る(練成)最後にシロがメインに使う場所を少し高い場所にして完成。と思っていたのだが、金やら宝石やらを持ってきて、もう少し派手にしたいそうだ。




 成金趣味は個人的に嫌なので、やり過ぎない程度に目の部分やアクセントに少し使いそれで終わった。



 正直あまり良い趣味とは思わないが、クライアントの希望には添えたらしい。




「ダイスよ、いや友よこれこそが我が夢に見た住みかよ。感謝する」



 喜んで貰えたようで何よりである。



「して、報酬じゃが、宝物庫から出すのと、死んだ同胞の素材で構わんな?」




「十分だ」



「そうか、人間のように、死体がどうこうと言うのは無いから。好きなだけもって行くが良い。正直我等の死骸は早々には朽ちぬ。場所もないから助かるわい」




 今この長、身も蓋も無い事口走ったよな? ドラゴンの価値観だから仕方なくはあるのかもしれないが。




「ついでと言ってはなんじゃが、もう一つ仕事というか、相談に乗ってはくれぬか?」



 なんだかんだで、縁ができた、多分良縁だと思う。多少は付き合うべきだろう。



「出来ることでよければ」



「人間が攻撃してくる事は言ったな?」



「聞いたな」




 概要を纏めるとこうだ。人間が攻撃してくるが、それを断つのは容易い。この山に入るならば俺が来た方向以外からはつり橋を通らなければ通れない。ならば落とせば早い。



 しかし、盟約を結んだ国の守護を謳った為、橋を落とすのは難しい。攻撃してきている国がそこなら良いが、攻撃しているのは多分隣国との事。大体こんな感じだ。



 とりあえずアドバイスをしよう「橋、落とせよ。めんどくせぇ。盟約があるなら、説明して守護に変わりは無い事を知らせれば良い。大体その国の人間がここに来る事等ないのだろう?」



「確かに・・・」



「では落とせ、今すぐ落とせ。人間なんてのは、すぐ蔓延り、資源を食らい尽くす。土地を荒らす。可能なら入れない事が最善だ」



「おぬしが言うと、なんだか違和感が凄いの」



「事実だから仕方ない。どんな恩があるか知らないが、切れるならその盟約の国とも縁を切る事をオススメするぞ」



「容赦がないの」呆れたように肩を竦めるシロ、的確なアドバイスなんだがな。




「あの王家が堕落しない限りは、縁は切れんよ。そこでだ、何か良い方法はないか?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る