第113話提案
「いいよ、でもね。それは効率的じゃない。もっと良い場所がある。君はその子達を人から遠ざけたいのだろう?」
散々考えて、一時凌ぎでも思った方法だ。名案があるなら是非欲しい。
「効率的な方法が?」
「ああ、あるとも。僕はこれでも一つ面白い土地を所有していてね。そこにこれる人間は今の所知らない」
「そんな素晴しい土地が。俺はどれ程対価を出せば良い?」
「大した額はいらないさ。いける者は限られており。尚且つ、広さは半径50キロ程度。そうだね、大金貨10万枚でいいよ。無論支払いはゆっくりでいいよ」
大金貨10万・・・確かにそんな土地があればそのくらいはするだろう。小金貨と呼ばれるのが、前の世界でいう金貨に当たる。金貨1枚の価格が年代によっても違うが8~12万程度の価値がある。大金貨はおおよそ2倍のサイズである。
正直高いのか安いのかは分からないが、見てからでも遅くない。因みにだが日本で無人島を買うと2億あれば大体釣りがくるそうだ。安い所だと2千万くらい。
「まずは見てみたい」
「勿論だとも、きっと驚くし、気に入るよ」
さぁ行こう、そうい言ってルイは転移符がある部屋に向った。
そして、転移した先は・・・ため息が出るほど美しい土地だった。人々が夢見る楽園というのは、こういうイメージなのではないだろうか。
一面の花。遠くには森、川もある。水源に困る事はなさそうだ。しかし、人が来ない理由が分からない。これだけ美しい土地があって、人が来ない理由が無い。
俺が考えてるのを察したのか、クスッと笑い。ルイは語り出す。
「君が考えてる事は分かるよ。でも答えは非常に簡単さ。この土地の端に行こう。いや、上から見ればわかるよ」
俺は空に向って歩き出した。この魔術、飛ぶと表現するにはあまりに違和感がある。
かなり上まで来た、全体が見えてきたな・・・成る程そりゃ来れないわ。ここは物凄い高い位置にあるのだろう。土地の端から外は何も無い空間のみ、遥か下に雲が見える。
だが、疑問も残る。これだけの高さにあって、この気温はおかしい、更に酸素濃度だ。息苦しくて当然のはずがなんともない。この世界だからなのだろうか?
ルイも上がってきた。説明を聞くには丁度良いタイミングだ。
「どうだい? この空中の楽園は」
空中の楽園?・・・ここジブ○なの?滅びの呪文唱えるの?目を白黒させながら驚く。
「良い反応ありがとう。だけど、そこまで驚く事じゃない。こう言う場所は元の世界にも過去にはあった記録があるからね」
あったのか・・・
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